SAEの硬さ換算表


硬さ換算表例


SAE換算表の説明

これは、JISハンドブック(熱処理)に掲載されている、 ビッカース硬さを基準にしたSAE換算表の例です。

そのほかにも、ブリネルやロックウェル硬さを基準にした換算表がJISハンドブックの末尾などに掲載されています。

当社では、HS-HRCの換算を多用していますが、特に、HSが微妙に違っているのが目立ちます。しかし「ショアーはショアがない(しょうがない)」という人がいるくらいですので、それに神経をとがらせることもないように思います。

最初に、換算表を適用するときの注意点などが書かれています。
①幅広い鋼種の近似的なものであること 
②オーステナイト系ステンレスや冷間加工したものは不可 
③滑らかな表面であること 
④表面焼入れなどは不可で、十分な厚さがあること 

などが示されています。

当然、硬さ試験機や硬さ試験方法に書かれている内容にも注意する必要があるのですが、これは、硬さ基準片を用いる場合の規格であり、実際に行う硬さ試験では、それらの規格に沿った試験方法をとる場合のほうが少ないと思いますので、 基本的な知識として『注意事項がある』ということを知っておくといいでしょう。

当社では、HRC-HSの換算に使用する例が多いのですが、昭和末期のことですが、HSの硬さ基準片をHRCで測ったり、その反対にHRC試験片をショアーで測ったりしてその違いを見たことがあります。この時も、非常に互換性に優れていたことを記憶していますので、換算表の誤差を心配する必要はないと考えています。

日本においては、このように、外国規格を準用している状態で、JIS化はされていませんが、「硬さ研究会」などで検討されたものや、硬さの権威であった吉沢武男先生の資料などには、多くの換算表が紹介されています。

現状では、どのようなものが使われているのかや、使用の実態はわかりませんが、昭和年代にはかなりアバウトなものも使用されていて、数字も微妙に違っていたようですが、実際的には、すでに商取引に使われているものですので、いまさらJISなどでこれを統一するのは難しい問題点があるのでしょう。

しかし、この換算表があることで、いろいろな試験機の適不適をカバーしているといえるので、換算表のメリットは計り知れません。

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第一鋼業の硬さ換算表

当社では、昭和50年代から、上記のSAE(AISI)の換算表や、「吉沢武男編 硬さ試験機とその応用 (裳書房)」、硬さ研究会などの資料を用いて、HRC-HSの換算に便利な独自の換算表を作成していました。

もちろん、これは、SAEの換算表を補完したものであるので、取引上でも問題になったことはありませんが、下には、さらに、扱いやすいように数字を丸めたり、引張強さもなじみ深い旧単位を併記しているものを掲載しています。
HBWはタングステン球のブリネル硬さ、HBDはブリネルの球痕径、Mpは引張強さのメガパスカル換算値です。

第一鋼業硬さ換算表


HS-HRCプロット

ちなみに、この図は、EXCELの散布図を使ってHRC-HSの数値をプロットしたものです。SAEの表では、特に、HSの値が定まっていなくて、図に書くと微妙にでこぼこしています。

電子機器などに内蔵されている換算値についても、 何らかの近似式によって換算値をきめていると思いますので、誤差を云々するより、今は、「換算表とは、この程度のもの」・・・と考えて使用すれば良いと考えています。(以上、表作成は野中豊が担当)



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(来歴)H30.11.8 全文見直し。