体心立方晶 (たいしんりっぽうしょう)     [t01]

【用語の意味】
結晶構造の一つ。立方体型の単位格子の各頂点と中心に原子が位置する結晶構造。BCC。
【関連する用語】
  面心立方晶 
【補足説明】

体心立方晶体心立方晶 空間充填状態

この1つの格子を見ると、9つの原子が含まれるが、周りに隣接する格子があるので、単位格子には2つしか原子が含まれていないことになる。

この体心立方と併せて熱処理では「面心立方晶(例:オーステナイト)」と「体心正方晶(例:マルテンサイト)」がよく出てくる。面心立方晶は六方細密充填構造と同様に、原子が最も詰まった状態の格子形状であり、原子の形状が同等で普遍と考えたときの空間充填率が0.74(隙間が26%)で、単位格子あたりに4つの原子を含むのであるが、体心立方の空間充填率は0.68(隙間が32%)とされる。

オーステナイトの状態では面心立方晶になっているが、それを焼入れで急冷すると、体心正方のマルテンサイトになるし、ゆっくり冷やすと、この体心立方になると説明される。

私は、マルテンサイトが硬いのは、元の体心立方になれなくてゆがんでしまって正方形になって内部のストレスがたまって「硬くなる」・・・と勝手に考えている。

もっとも、熱処理や鋼材では、このような単純な形態ではなく、合金元素を加えると強い鋼になる・・・というのは、ここに示される黒丸の原子が、Fe(鉄)ばかりではなく、Cr(クロム)やその他の共有結合する元素と「置換」されるし、炭素や窒素などの小さな原子は、この格子の中に割り込む「侵入」などがあるので強い鋼ができる。

このように、鋼を強くすることを考えるためにはこのようなことも理解することが必要だということで、熱処理にもこのような結晶模型の話が出てくるのだろうが、目に見えないものは理解しにくい。


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