ベイナイト         [h35]

焼入れなどでパーライトが生成する冷却温度より遅いか、マルテンサイトが生成する冷却温度より早いときに生じる、パーライトとマルテンサイトの中間的な組織です。
または、恒温変態させる場合の、パーライトとマルテンサイトの中間の組織をいいますが、これらのはっきりした組織の違いはわかりにくいものです。

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恒温変態曲線での恒温熱処理の説明図
この図は共析鋼のS曲線の例ですが、恒温変態での保持温度によって生じる組織の種類が示されています。
この状態は、鋼種(成分)によって組織や機械的性質は大きく変わるのですが、これらの組織境界(どちらの組織というのか)ははっきりとは決まっていません。
共析鋼の油冷組織 共析鋼のツルースタイト組織
適当な写真がないのですが、上左は、共析鋼の油焼き組織で、右は焼入れ焼戻しツルースタイト組織ですが、炭素鋼の焼入れ焼戻しではベイナイトという組織は出現させることが難しく、恒温変態ではこれができることから、もう少しこのあたりが研究されてもいいと思っているのですが、これらの組織の違いと、(合金鋼など、焼入れ性の高い鋼の)焼入れ時に生じる残留オーステナイトの量や出現の仕方などを考えると、この「恒温処理」は、様々な特性を得るための熱処理が潜んでいるのかもしれません。

ベイナイトの英語はBainite です。
余談ですが、私が学生の頃に「S曲線の奥まった部分、つまり『Bay(湾、入江)』の部分でできる組織」だと教えられた記憶があり、その記号は「Zw」で表す・・・というように習ってきました。

これは、熱処理論が盛んだった頃の話ですが、今、Wikipediaを見ると、このZwに関する異論(Zwの意味でベイナイトを用いるのは適切でない・・・とある)についてが書いてあリます。
私達が過去に学んだ頃から、少しは熱処理分野も進歩しているのだなぁ~と安心したもしています。



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(来歴)H30.11 文章見直し

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