二次硬化   (にじこうか)      [n05]

低合金鋼では焼入れ後の焼戻しでは、温度を上げるにつれて硬さは低下していきます。しかし、高合金鋼などでは、500℃程度以上の焼戻しで再硬化する現象が見られます。これを二次硬化といいます。


SKD11(SLD)の熱処理曲線左図はSKD11(SLD)の熱処理曲線ですが、クロムCrやモリブデンMoを多く含む高合金鋼は、500℃程度の温度で再硬化します。これを2次硬化といいます。

これが生じる原因は、素地に溶け込んだ合金成分が凝集して炭化物となるためと説明されています。

SKD11では、この図のように、2次硬化では、低温焼戻しの硬さを超えませんが、高速度工具鋼などで、焼入れした状態の硬さ(これを焼入れ硬さという)よりも焼戻しした後のほうが硬さが高くなる鋼種もたくさんあります。

2次硬化する鋼種では、焼入れして1回目の焼戻しの際に、およそ400℃から550℃程度の温度で残留オーステナイトが分解、炭化物の凝集析出による硬さ上昇、冷却過程でマルテンサイトやベイナイトなどの変化が進行します。
そのために、この温度域での焼戻しは、充分に保持時間をとり、必ず2回以上の焼戻しを繰り返して行う必要があります。

また、熱間工具鋼や高速度工具鋼(ハイス)では、2次硬さの特性を利用するために、工具が高温になってもそれに耐えるように560℃以上の焼戻しをしますが、これによって、品物が焼戻し温度近くになるまでは硬さ変化や組織変化が起きないので、高温での強度が保たれるということになります。

通常の250℃程度以下の焼戻しを「低温焼戻し」として、500℃以上の焼戻しを「高温焼戻し」と呼んで区別する場合もあリます。



↑記事のTOPに戻る

用語の索引一覧へ

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ

スポンサーリンク


HP紹介

鉄鋼の熱処理全般について紹介
せん断刃物技術の基礎事項を紹介
第一鋼業のHPとお問い合わせはこちらから

↑記事のTOPに戻る