第一鋼業株式会社~熱処理用語

火花試験 (ひばなしけん)    [h16]

グラインダーで鋼の表面を削った時の火花の様子や形状で、鋼種や合金成分を判定する試験方法です。

鋼種判定には技能と熟練度が要求されますが、異材の判別などは、少し練習するとできるようになります。安価で簡便な分析法です。


JISには「火花試験方法」が解説されていますが、ここでは、それを説明するのではなく、実用的に「化学成分が既知の鋼と試験する鋼の火花を比較すること」を主眼に説明します。

一般的には、①花の咲き方で炭素量を見る ②花の形状や火花の色で合金元素の種類や量を推定する・・・ということになります。

しかし、グラインダーの種類や回転数、照度などの部屋の環境、鋼材の熱処理のあるなし・・・などの、いろいろな要素で火花の状態(火花の出方や色の様子など)が変わります。

このため、1鋼種の火花を見てその成分や鋼種を判定するには、かなりの熟練が必要ですし、検査の環境などを吟味しないといけないのですが、実用的には、通常は、成分が既知のものと比較するということで、「同じ鋼種か違う鋼種化を判断する」程度までは簡単に行うことができます。

また、数個の鋼材の中に、1つ別の鋼種が混ざり込んだ場合(これを「異材混入」といいます)には、「同じ鋼種か、違う鋼種か」という程度は、少しやってみると、簡単に見分けがつきます。

このように、数種の成分のわかった試験片を用意すれば、少し慣れれば、異材判別やどの鋼種に近いか・・・などはわかるようになります。

山本化学工具研究社から、15鋼種ほどの試験片(約5万円程度)が発売されていますので、それらを用いて練習することもできますが、あえて購入するほどのことはないでしょう。

過去には、熱処理技能士の資格を取るには、その火花の判定能力が必要でした。

しかし近年は、その試験の実技も、写真を見て回答するものに変わってきたこともあり、熱処理技能士であっても、高度の火花判定能力のある人は減ってきているのが実情です。

当社では、同鋼種で出あっても、成分が同じかどうかを判定する必要がある場合が多いので、ポータブルの蛍光X線分析計で鋼種判定することが増えています。

これもあって、今後は、次第に高度な判定ができる技能者は減っていくでしょう。
蛍光x線分析の測定イメージ  蛍光X線分析計による方法


この蛍光X線分析ですが、重要な鉄鋼における「炭素量」が測定できないのが欠点です。

しかし、その他の合金量などからソフトウエアによって成分の推定をすることができるので、火花試験と併用することで、かなり確度の高い鋼種の判別が可能です。

【火花の例】
火花試験の図示(JISハンドブックより)

この図のように、鋼種によって、特徴ある火花の形があります。

1)炭素量の違いによる、「花」の咲き方
2)含まれる合金元素特有の火花の形

などを見て鋼種を判定するのですが、いくつかの鋼材の中に、何か違う鋼材が混ざり込んだ場合などは、「同じか?、違うか?」で判断することで目的が達成されますので、ぜひこの方法があることを覚えておいてください。

この場合は、比較ですので、特に、グラインダーや砥石の仕様は考えなくていいでしょう。

少し詳し説明が→こちらにあります。



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