熱処理用語の解説

反発硬さ (はんぱつかたさ) [h10]

一般的には、もう一方の「おしこみかたさ」に対比するもので、「硬い品物は反発力が強い」ということを硬さの指標にした硬さを「反発硬さ」といいます。

鉄鋼関係のJISに規定されているものに、「ショアー硬さ計」があり、ゴム・プラスチック系の材料の硬さを測定する場合に用いるものもあります。

これは、圧子を試験をする品物上に落としたときの反発高さで硬さを決めています。

これとは別の方法で、反発するときの速度などを測ることなどで硬さを評価する試験機【商品名:エコーチップなど】も製造されています。これは、全方向で硬さが測定できるなどの便利さがあります。

【参考】JISに規定されている反発硬さを測るショアー硬さ試験機以外の硬さ計では、ロックウェル硬さ試験機、ビッカース硬さ試験気、ブリネル硬さ試験機などがあり、これらは、「押し込み硬さ」という分類で、硬い圧子を品物に押し込んだときの抵抗の大小(押し込まれにくさ)を測る試験機です。

ショアー硬さ試験機による硬さ測定

この写真は、硬さ値が直読できるショアー(D型)硬さ試験機を使って硬さを測定しているところです。

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ショアー硬さは、ダイヤモンドを先端に付けたハンマーを品物上に落としてその跳ね返った高さで硬さ値を決めるもので、これは「硬いものはよく弾む」という考え方を基にしています。

鋼の最高硬さのものを測った時にそれを100HSにして目盛をつけた・・・という話を聞いたことがありますが、現在は硬さのトレーサビリティー(国家標準につながる硬さに管理がされている状態)が保たれるように管理されており、また、その他の硬さ計との硬さ関係がわかりやすいように、硬さ換算表が整備されています。

過去には、ショアー硬さ計の精度を問題にする人も多かったのですが、現在では、トレーサビリティーとともに、検査員の訓練などもあって、非常に高い精度で硬さの測定ができるようになっています。

実用的な硬さ範囲 30~85HS程度が常用の硬さ範囲です。

ショアー硬さ計は、写真のように比較的軽量で、持ち運ぶことができますし、測定筒を取り外して大きな品物の硬さを測ることができるので非常に便利です。


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(来歴)H30.11 文章見直し  R1.11 見直し   R2.4 CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ

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