シーズニング            [s08]

【用語の意味】
枯らし(からし)。鋳物の内部応力を低減させるために、長時間放置すること。低温焼戻しによって、その期間を短縮する熱処理操作をすることも多い。
【関連する用語】
 時効処理   残留応力
【補足説明】

Seasoning:英語の意味はいろいろあるが、熱処理的には「ならすこと」である。

鋳物は凝固する時間差のために、鋳込んだままでは不均一な応力状態になっていて、時間とともに変形(経年変化)したり、機械加工中に変形や精度の狂いを生じることが多い。
このため、数か月~数年の間、屋外に放置して自然に変形をさせた後に機械を作り上げる。

これは常温における時間変化(時効)を利用するものであるが、熱処理的なものとして、人為的に600℃以下の適当な温度に加熱(低温焼なまし)することでそれを促進させることで期間短縮させることもある。

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ここで、数字的な遊びをしてみる。(何の意味もないが・・・)

加熱温度と時間の関係は M=(T+273)(K+logt) のようなパラメータで表すことができるとされる。このTは処理温度、tは時間、Kは鋼の特性から考えた定数で、構造用鋼などでは(21.3-5.8xC%)などが適用されている。

適当なやり方だが、これをイメージできるように、戸外に品物を「枯らす」場合の平均温度を40℃として1年間放置した場合と600℃で応力除去して時に必要な保持時間をこの式にあてはめてみると、(びっくりすることだが)ほんの数秒で同じ効果になることがわかる。対数で作用する時間の効果よりも、温度の効果が大きいということだが、しかしここで考えてみると、この考え方が変だと気付いた。

なぜなら、溶湯を鋳込んで生じた応力を解放するために行う応力除去焼なましを、急激に高い温度に加熱してもいいかどうかや、応力開放のためにはある程度の時間が必要になるのではないか、凝固時の化学組成が不均一なので加熱温度による軟化程度なども変わってくるだろう・・・ などである。

鋼板の溶接部分の応力除去などでも温度を上げすぎると、変形して使い物にならなくなるのを防ぐために、「ピーク応力の除去」ということで、あえて低い温度で全体を焼き戻しする考え方がある。

焼なましに関係する項目になるとすると、安易に考えては、とんでもないことになりそうな気がしてきた。

(鋳物については専門外だが)昔から、長い間戸外に放置されている「枯らし」だが、「無駄だなぁ」と感じている誰かが、「応力除去焼なましをすれば時間短縮できる!」といって行われているものだと思うのだが、かなり慎重にその処理条件を考えない限り、昔からの知恵のほうが正しいという感じもしてくる。


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