熱処理用語の解説

加工熱処理(かこうねつしょり)    [k08]

例えば焼入れ中などに、加工や変形を加える熱処理などをいい、塑性加工と熱処理を組み合わせて行うものを加工熱処理といいます。

加工熱処理は、様々なものがあり、その中でも、高強度化やじん性低下の抑制などの目的で、熱処理の加熱冷却過程に鍛造などの塑性加工を組み合わせて行う方法などが行われています。

古くから行われているものは、焼入れ工程中に塑性加工を加えることでじん性を向上させる「オースフォーミング」が有名です。

近年では、オーステナイト状態の鋼に加工を加えることで強固なマルテンサイトに変える「TRIP鋼」、圧延中に圧下を加える「制御圧延」、ピアノ線を恒温に保持した後に引き抜き加工を加えて超強力化する「パテンチング」なども加工熱処理と言えます。

現在はホットスタンプなどのように、成形加工と熱処理を合成したり、鋼の引張強さの現状の限界を突破する・・・などの目的で、加工+熱処理や組織の微細化検討などを合わせた複合的な熱処理方法が模索されていますが、通常の熱処理では得られない特性が付加される可能性などが期待されるために、今後の研究開発が期待される分野でしょう。


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(来歴)H30.12 文章見直し   R2.4CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ




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