熱処理用語の解説

パテンチング      [h08]

patenting treatment :パテンティング処理のこと

ばね鋼・ピアノ線などを高強度化するために、焼入れ温度から熱浴などで急冷するなどで、線引き加工や圧延に適した組織を得るための熱処理です。

ピアノ線は炭素量0.6~1%程度の炭素鋼線で作られています。

その製造工程は様々ですが、基本的には熱間圧延後に冷却段階では空冷されるために、その組織を均質にするために、900℃程度以上の温度に再加熱して急冷して微細なソルバイト組織にした後に、冷間引き抜き加工をすることで非常に強度が高い線にする方法で、その熱処理工程をパテンチングといいます。

ピアノ線の熱処理後の引張強さは1200MPa程度ですが、それを冷間で引き抜いて2500MPa程度にします。

一般の焼入れ鋼では、どんな高級な鋼であっても、熱処理で硬さを高くしてこのような高い引張強さは出すのは至難の業です。

PR

現在では、超超強力鋼といわれるものの開発研究がされてはいますが、ピアノ線が伸びて音が変わってしまわないようにするこの技術は、150年以上前からあったということに驚きます。


PR

↑記事のTOPに戻る


(来歴)H30.11 文章見直し   R2.4 CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ
PR



その他の記事

鋼の熱処理について バナーリンク
熱処理ブログ バナーリンク
ソルトバス熱処理 バナーリンク
せん断刃物技術の基礎 バナーリンク

↑記事のTOPに戻る