第一鋼業株式会社~熱処理用語

 ウィドマンステッテン組織    [a11]

過熱組織の一つで、焼入れの際に異常な高温に昇温した場合などに、特定の結晶面に沿って新しい特徴的な相がみられる組織で、熱処理的には好ましくない組織とされています。


ウィドマンステッテン組織例
これは、WEBにあった写真ですが、結晶粒の粗大化と結晶粒界に針状の組織が成長している例です。

しかし、通常の熱処理では、これが生じた経験はありません。

過去の例ですが、熱電対異常で焼入れ加熱温度が標準温度より100℃程度オーバーしたときがあったのですが、その品物数種類の組織を観察したことがあリます。しかしその時でも、結晶粒が増大する程度で、このような組織は確認できませんでした。このような異常組織は、もっと高い温度に加熱した状態で特定の冷却過程を経ないと出現しないような感じがしています。

また、SKH51の標準焼入れ温度は1240℃以下ですが、それを超えて1280℃以上に加熱すると、品物の表面の一部が溶け初めて、表面にしわができることがあります。

いわゆる「オーバーヒート」の不具合ですが、そのときに組織を見ても、結晶粒界が崩れる状態になっているものの、このような針状組織は見られませんでした。

以上の熱処理時の異常例でも、このような過熱組織は見られませんので、これが出現するのは、もっと高温で、何か特別の温度保持や冷却条件が加わった時に生じるもののようですが、なぜか、熱処理の教科書にはこの言葉が出てきます。


隕石の例 Wikipediaから引用

この写真はウィキペディアの記事にある写真ですが、これは隕石の研磨面に見られる金属ニッケルで、きらきら光った帯状や幾何学模様が「ウィドマンステッテン組織」と表現されています。

この組織の成因を考えると、焼入れのような過熱ではなく、溶融状態から冷却される過程で、時間の条件(冷却されかた)が関係している感じがしています。ともかく、かなりの高温に加熱されないと現れない組織といえます。
「ウィドマンシュテッテン」と書かれている場合もあります。



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