焼割れ       [y12]

【用語の意味】

焼入れによって生じる割れ。熱応力や変態応力などが複合して、応力集中によって生じるとされています。低合金鋼では、焼が入りにくく強度の弱い隅部などから割れる場合が多いと言われていますが、その他の部位からの割れも多々あります。

【補足説明】
熱処理の権威で、わかりやすい書籍をたくさん書かれていた大和久重雄さんは、「焼割れは、焼の入りにくいところで発生する。しっかり焼入れすると割れない」ということをしきりにおっしゃっていました。炭素鋼などでは、隅部やキー部分からの割れがそれにあたりますし、焼入れ性のいい鋼種でも、角部ではなく陵部や隅部からの割れが多いといえます。
力学的に言えば、圧縮応力ではなく引張応力が材料の持つ限界を超えたときに割れる・・・と説明されます。
 
例えば、ある品物が焼割れした場合に、その原因を探すことは大変です。
私の友達が熱処理業をしていて、そこから当社に熱処理を頼まれたSKD11の大きな品物10個のうち、3個が大きく焼割れさせてしまったことがあります。その時、彼が言ったことは、「割れるものは割れるので仕方がない」でした。非常に意味深いことばと感じています。
昨今では、熱処理事故品の調査報告を見ると、針でつついたような原因を探し当てて「これが原因と考えられる」と結言しているものが増えていますが、そんな単純なものではないはずです。

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