熱処理用語の解説

焼入れ性倍数(やきいれせいばいすう)  [y05]

ある合金元素を添加したときの理想臨界直径と添加しない時のそれの比を表したものを焼入れ性倍数といい、Mn、Crなどの焼入れ性を高める元素量を増すとそれは大きくなります。

焼入れ性倍数の高い元素を加えると、焼入れ性の高い鋼になります。


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合金元素の焼入れ性倍率

焼入れ性を高める主要元素を示したものですが、例えば、炭素鋼(S45CやSK85など)に、これらの焼入れ性倍数の高い合金元素を添加すると、焼入れ性が良くなります。

もちろん、鋼の焼入れ性(焼入れした時の硬さが高く、内部に至る硬さ低下が少ないという性質)は、炭素量の影響が最も大きいのですが、これらの焼入れ性を高める元素の割合などが加わることで、炭素量だけの単独の数値とは変わってきます。

さらに、焼入れ性が高くなると、残留オーステナイトが増加する傾向になります。 また、製鋼時に均一に分散させる必要があるなどもあって、これらを単純に増やせばいいというものでもありません。

特に焼入れで残留オーステナイトが多くなると、得られる最高硬さも低下するなどのデメリットが出てきます。

このために、この図は焼入れ性に対する元素の持つ焼入れ性高めるというイメージを持つためのもの・・・としておく程度でいいでしょう。


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(来歴)R1.8 見直し   R2.4 CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ

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