ズブ焼入れ             [s27]

【用語の意味】
熱処理業界の用語で、一般熱処理の「全体焼入れ」のこと。反対語は、表面焼入れ。
【補足説明】

構造用鋼などの焼入れに呼称されることが多く、品物全体を焼入れすることを「ズブ焼きをする」などと表現されている。

全体焼入れは、品物全体を加熱して急冷(水冷や油冷)をして硬化させることであるが、全体が加熱されるので、質量の影響(質量効果)を受けやすく、高周波焼入れのように表面部分だけを加熱する場合に比べて、内部に向かって硬さが低下する。

構造用鋼を全体焼入れしたときには、質量効果により、表面硬さと中心硬さの差が大きく、それを低減するために500℃以上の高温で焼戻しすることを『調質』というが、古いJISで示されていた表面硬さが必要になる場合は、品物が大きいと充分な焼入れ硬さが得られないので、当然、焼戻し温度を下げる必要がある。そうなると、本来の「調質」とは言えない処理をしなくてはならないことも多いのだが、これは、機械設計者が熱処理をあまり知らないことや、熱処理者が十分にそれを説明する能力がないために生じる問題でもある。

このあたりを顧客に説明して機械設計に反映するようになるには、いろいろ難しい問題があるので、熱処理技能士などの熱処理知識を持つものを養成することが熱処理業者としては欠かせない。


↑記事のTOPに戻る