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材料の方向性(~ほうこうせい)[s03]

鉄鋼製品を作る製鋼後の造塊の段階で、多くは、圧延などによって伸延されます。

そのため、出来上がった製品は、伸延方向とその直角方向では機械的性質が異なる場合が多くなっており、材料の方向による違いが生じています。

特に、衝撃値や組織、熱処理による寸法変寸量などの機械的性質は材料取りのやり方(材料取りの方向)で異なります。

そのために、何かの製品を作る場合には、強度などの方向性を考慮して材料を加工する必要があります。

引張強さや圧縮強さは材料取りの方向によって大きく変わることはありませんが、、伸び、絞り、衝撃値などは鋼材の圧延方向に試験片を取った場合と、その直角方向に取った場合では、試験結果が大きく異なります。

繊維方向 方向性のイメージ図

特に、衝撃値では方向性が大きく影響します。

通常、シャルピー衝撃試験をする場合の試験片の採取は、圧延方向に沿って試験片をとって試験するのが基本です。

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このとき、圧延方向に取った試験片を「L方向」それに直角に取ったものを「T方向」と表現される場合があります。

例えば、工具鋼の高硬さ品の衝撃値では、TとLの比は1:2(つまりL方向の衝撃値は、T方向の半分程度)になっているは通例です。

この比率は鍛錬比などでも変わりますが、この、L方向のほうが衝撃値は高いという傾向は変わりません。

このために、衝撃値の鋼種間比較をする場合は、試験片を取る材料の鍛錬比を合わせておいて、L方向で試験するのが通例です。

この方向性による機械的性質の違いをうまく利用する場合と、反対に、方向性があってはならない場合があリます。

鍛錬による特性変化の例

この図からは、鍛造比を大きくすると、鍛伸方向では伸び、絞り、シャルピー値が増加していきますが、その直角方向では、反対の状態になっています。

引張強さは「硬さ」と同意と考えればいいのですが、そのために、影響がないということがわかります。

このこともあって、製鋼メーカーでは用途に応じて、鍛錬方法を調整したり、ESRなどの特殊溶解をすることなどで材料内の均質性を高めて、必要な場合は、LとT方向の値の差を小さくする「等方性を高める」操作をするなどで品質を調整するものもあります。

この材料の方向性は、機械的性質のみならず、熱処理変寸(熱処理時の寸法変化)への影響も大きいので、材料の違いがいろいろなところに反映されてしまうので、この方向性に関する検討や改善が望まれるのですが、すべてに優れるような方法はなく、かんたんな解決法はなさそうです。

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