熱処理用語の解説

軟化焼なまし(なんかやきなまし)[n03]

硬さを低下させるために行うもので、A1変態点以下(通常700℃程度以下)で加熱して放冷する熱処理です。

これは、「低温焼なまし」に分類されます。

できるだけA1変態点に近くなれば硬さの低下は大きいので鋼は柔らかくなりますが、より低い硬さにしたい場合は、完全焼きなましのほうが硬さは低くなります。

通常は、A1変態点(約720℃程度)以下で行うと、加熱後に空冷しても硬化しないので、機械加工できる程度に柔らかくするための目的で行われます。逆に炭素量の高い焼入れ硬化する鋼は、温度を上げすぎて変態点にかかったものを空冷すると、若干硬化します。

このA1点は平衡状態図の温度なので、加熱時には変態点が780-800℃などに上昇するために、変態点以下の焼なましは、オーステナイト化しない程度に、できるだけ高い温度にあげるほうが軟化しやすいので、自社製品では750℃程度で行うことが多いです。

しかし、オーステナイト化させてしまうと炉冷しないといけなくなるし、そうすると加熱時間が長くなって酸化脱炭が進むことになるので、鋼種の変態温度を知って処理することが大切でしょう。

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この「軟化焼なまし」は、酸化や脱炭を少なくして硬さを下げたい・・・という場合に行いますが、もしも、再焼入れするものであって、取り代(仕上げ代)が充分にある場合は、結晶粒調整ができる完全焼なましをするほうが良い場合も多いでしょう。


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(来歴)R1.9 見直し   R2.4 CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ
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