ミルシート [m11]
ミルシートは検査成績書のことですが、鋼材に関しては、この Mill sheet は、鋼材メーカーなどが発行する鋼材検査成績書のことを指す場合が多いようです。
Millは「工場」、Sheetは「用紙」ですね。
「検査成績書」を和英辞書で引くと、Inspection certificate となっており、どうもこのミルシートと言う言葉は、造語(和製英語)の感じがします。
しかし、当社でも英文検査表にはMill sheet としていますので、何か響きがいいことで使用されているのでしょうか?
この鋼材ミルシートには、成分や熱処理試験などのJISに規定されている内容がすべて記載されているものと思いがちですが、注文者の要求がなければ、通常は、社名、注文者、書類番号など、メーカーが最低限追跡できる一般事項しか掲載されていない「出荷証明書」のような内容しか記入されていないものが発行されるのが普通です。
PR私が勤務していた第一鋼業では、ヒモ付きで購入した鋼材(メーカーと直接取引するような場合など)では、鋼材仕様書で取り交わした項目すべてが記載されていますが、市販材の多くは、出荷寸法だけしか書いていなくて、化学成分なども書かれていないものもよく見受けました。
これは、工具鋼などでは流通経路が複雑な場合もあって、メーカーも、取り決めがなければ、不必要なものは表示しないということのようですが、もちろん、鋼材メーカーでは、いろいろな試験や検査をしているけれども、詳しい内容のミルシートは発行していないという場合が多いのかもしれません。
このような場合でも、もしも、確認したい項目や検査値があれば、メーカーに問い合わせて確認することもできますが、もちろん、すべてを公表してもらえない項目もあります。
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