ベイキング [h33]
電気メッキ、酸洗、溶接などの作業で鋼に吸着した水素を逃がすために、200℃程度で品物を加熱する処理。 Baking
鋼中に水素が侵入すると脆化します。これが水素脆性と呼ばれるものです。
水素脆性が生じると、品物が簡単に破壊するなどの、非常に危険なものです。
このために、特に焼入れ鋼などを電気メッキや酸洗した場合は、焼戻し温度を超えない温度の範囲で、200℃程度の加熱をすることで鋼の表面の水素を飛散させることによって、脆化が起こることを軽減する作業は行われます。
これをベーキング処理といいます。
特に注意しなければならないことは、硬質クロムメッキ部分を再メッキする場合などで、メッキはがしをするために逆電解をした場合には、鋼中に水素の停滞が知られており、この場合には、確実にこの加熱処理をしないと思わぬトラブルになることがあります。
(来歴)H30.11 文章見直し R2.4 CSS変更