熱処理とアモルファスについて [a04]
アモルファスとは、結晶構造を持たない非晶質のことです。
鉄鋼は結晶の集合体で、一般的な熱処理では結晶の変化はしますが、非晶質にすることは困難です。
非晶質構造はガラスのような、結晶化しない(結晶構造を持たない)物質で、アモルファスといいます。
鉄鋼などの金属も、非常に速い速度で焼入れ冷却したり、強加工(強変形)をすることなどで結晶粒を「ナノ化」(微細化)すると非晶質(アモルファス)になることが知られています。
アモルファスになると、強度、磁性、耐食性などが変化し、鉄系でも、優れた性質が生まれる可能性があります。
加工の程度と得られる特性の関係などについては、いろいろな研究が進められている段階ですが、面白い分野と言えるでしょう。
左が結晶構造、右がアモルファスのイメージです。(鉄鋼は多元素からなる化合物ですので、このような単純なものではありませんが・・・)
鋼がアモルファス化した状態は、ドリル穴の近傍の顕微鏡組織などに、強加工が加わったごく微細な部分に特殊な組織が現れる場合があります。
観察するために腐食しても、その強加工された切削表面に腐食されにくい薄層が顕微鏡で確認されることがあります。
これは、ドリルと被加工材(鋼)の接触面が、強い摩擦状態になることで、オーステナイトなどに変化したか、または、その部分の組織がナノ化して異質のものになったものと考えられています。
このようなに、ナノ化やアモルファス化をすることで、新しい性質を持った鋼の状態(特殊な金属)ができる可能性を秘めていると言えます。
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