熱処理用語の解説

アズキュウ・アズロール     [a02]

【用語の意味】

英語で As-Quench(アズクエンチ) は「焼入れしたまま」、As-Roll(アズロール)は 「ロールしたまま」の状態という意味です。

このAs-QuenchをAs-Q(アズキュー)といわれていることも多く、これらの用語は英語表現と言うよりも、業界用語に近い言い方でしょう。

「アズクエンチ」は焼入れっぱなしで焼戻ししていない状態を、「アズロール」は圧延したままということですので、熱間圧延で冷却したままの状態・・・ということです。

これらは通常の英語表現ですので、普通に用いても意味が通じます。しかしアズキュウといわれると、一般の人にはわかりにくいでしょう。これは業界用語ですね。

熱間圧延された構造用鋼材(SS400など)の多くは、そのまま建築材料に利用する場合が多いので、ほとんどは「ロールしたまま(アズロール)」のもので、特に熱処理して出荷されるということもありません。

しかし、機械構造用鋼材(例えばS45CやSCM435など)については、熱間圧延鋼材(=ロール材)のままで出荷する以外に、調質したり、焼ならし、焼なまし・・・などの熱処理をした状態で出荷されることも多く、これらをアズロール材(ロール材)に対して、調質材は「マルエッチ材」、焼ならし材は「マルエヌ材」、焼なまし材は「マルエイ材」・・・などの業界用語がしばしば使われています。

PR

出荷される製品(鋼材)の表示では、JISに基づいた熱処理がされておれば、その熱処理内容を書いた荷札などが貼付されています。

調質材では「HQ-HT」、焼ならし品には「HNR」、完全焼なまし品には「HAF」などの加工記号が品物に表記されています。


PR

↑記事のTOPに戻る


(来歴)H30.11 文章見直し   R2.4 CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ

PR



その他の記事

鋼の熱処理について

この熱処理について教えて下さい

ソルトバス熱処理

せん断刃物技術の基礎

↑記事のTOPに戻る