PR

アズキュウ・アズロールは慣用的な業界用語

アズキュウはAs-Quench(アズクエンチ)の簡略形

アズキュウ/アズキュー は、英語の As-Quenchを慣用的に短縮した言い方で、As-Quenchは「焼入れしたまま/焼入れのまま」という意味です。

これは、例えば、焼戻ししない状態の「硬さや組織」を表すときに表示されたり使用されたりしています。

しかしこの As-Q(アズキュー)は業界関係の用語に近いのですが、下のグラフのように使われている場合があります。

As-Qが使われている例

これは山陽特殊製鋼さんの技術資料の例で、500℃以上の高温焼戻しをして使う鋼種について、「焼入れしたままの状態」の硬さの違いを示すグラフです。

「焼入れのまま」と表示して、焼入れ時の硬さを示すグラフもあります。

 

アズロールは 英語の As-Roll です

「アズロール」は、同様に、「ロール加工をしたまま」という意味です。

通常は、棒鋼などの製造過程で、熱間圧延後に冷却したままの状態 … という意味です。

例えば、熱処理の現場では、機械構造用鋼の条鋼や棒鋼で、熱処理をしていないもの(未熱処理品)に対して、「これはアズロール品だ」というような言い方をされています。

熱間圧延された構造用鋼材(SS400など)の多くは、そのまま建築材料などに利用する場合が多いので、ほとんどは「ロールしたまま(アズロール)」のものが使われ、それを、さらに別の熱処理して出荷されるということはありません。

しかし、機械構造用鋼材(例えばS45CやSCM435など)については、熱間圧延鋼材(=ロール材)のままで出荷する以外に、調質したり、焼ならし、焼なまし … などの熱処理をした状態で出荷される場合も多いので、これらの熱処理済の鋼材を アズロール材(ロール材)に対して、調質材は「マルエッチ材」、焼ならし材は「マルエヌ材」、焼なまし材は「マルエイ材」 … などと呼称する業界用語が使われています。

もちろん、出荷される製品(鋼材)の表示では、JISに基づいた熱処理がされておれば、その熱処理内容を書いた荷札などが貼付されていますから、マルエッチ、マルエヌ などは、ユーザーが目にすることはありませんが、熱処理の現場ではいきている言葉です。

つまり、調質材は「HQ-HT」、焼ならし品は「HNR」、完全焼なまし品は「HAF」などのJISで定めた加工記号が品物に表記されていますので、もちろん、これらの業界用語を知らないでも問題は生じません。

通常の英語表現であれば、普通に用いても意味が通じますが、「アズキュウ」といわれると、一般の人にはわかりにくいでしょう。