PR

ベイキング・ベイキング処理

電気メッキ、酸洗、溶接などの作業で鋼に吸着した水素を逃がすために、200℃程度で品物を加熱する処理です。 英語では、 Baking です。

鋼に水素(H)が接触すると水素が鋼中に侵入して、鋼が脆化(ぜいか:もろくなること)します。

これは 水素脆性(すいそぜいせい)と呼ばれます。

鋼の水素脆性が生じると、品物が簡単に脆性破壊するなどで事故につながることがあり、これは非常に危険なものです。

焼入れした鋼製品に電気メッキや酸洗をすると化学変化で水素が発生します。

これをできるだけ鋼に接触させないことが水素脆性対策になります。

そのために、水素を飛散し除去するために、焼戻し温度を超えない温度の範囲の 200℃程度の加熱 をして、鋼の表面の水素を飛散させて、脆化が起こることを軽減する作業は行われます。

これをベーキング処理といいます。

一般的な処理方法は、200℃前後の炉に品物を入れて、その温度に1時間程度保持するだけの処理ですが、温度が高いと着色するので、着色して困る場合は、160℃程度で3時間ぐらい加熱します。

このベーキング処理でも、完全に水素除去ができないという指摘もあります。 しかし、何もしないよりも、やるに越したことはないでしょう。

特に注意しなければならないことは、硬質クロムメッキ部分を再メッキする場合などで、メッキはがしをするために「逆電解」をした場合です。

これによって、鋼中に水素が滞留することが知られており、この場合には、確実にこの加熱処理をしないと思わぬトラブルになることがあります。

また、このベーキング処理によって、完全に水素が除去されるというものではないので、メッキや酸洗後は、時間を置かないで加熱するなどの配慮が必要です