電子ビームを用いて加熱して行う熱処理(主に「焼入れ」)のことです。
電子ビームを用いた金属熱処理の原理は「レーザー熱処理」とよく似ています。
電子ビームを鋼の品物の微小表面に当てると、その部分が急速加熱されます。 そこで、ビーム照射部分を移動すると、ビームが離れたところは品物に熱をとられて急速冷却されるので、それで焼入れができるというものです。
製品の自己冷却で焼入れ硬化します
加熱部分が小さいので、電子ビームを遠ざけると、熱伝導で品物に熱が移ることで急冷され硬化します。
電子ビームやレーザーを用いた熱処理方法は、現在では、小さな品物や小さな刃先部分などが主体で、大きな品物の熱処理への適用もこれから進むでしょう。

(三菱電機(株)の資料:WEBより)
レーザーも電子ビームも、ビームが届く微小部分を絞り込んで加熱できますので、電子部品や金属以外の応用研究がされています。 すなわち、その研究過程で派生した熱処理法です。
レーザーは「光」ですが、電子ビームは「電子」の粒子ですので、レーザーに比べて加熱域が大きく、電位差で加速できるなどもあって、応用できる範囲が広いとされている新しい技術です。
現在では、上図にあるように、電子ビームを用いた溶接、微細加工、表面改質などが行われています。
現在の多くは、電子ビームやレーザーで加熱した後に、母材への熱移動が急冷の源になって硬化する仕組みを利用していますが、微小部分の急速短時間加熱であるので、このHPで説明しているような全体加熱や高周波焼入れのような熱処理とは異なります。
これからも、微小な先端部分だけを硬化させる用途は広がっていくでしょう。
ただ、焼入れするだけで焼戻しをしないで使用される場合が多いために、このHPで説明している熱処理とは別の、特殊なものと考えた方がいいでしょう。
レーザーや電子ビームを使った熱処理は、全体加熱ができない部分に適用することで、好結果が得られているので、熱処理状態の解析や研究、製品への適用などはこれから進んでいくでしょう。

