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深冷処理・サブゼロ処理|品物を低温に冷やす熱処理

深冷処理とは、サブゼロ処理 、クライオ処理などを含めた言い方です。

冷媒(液化炭酸ガスや液体窒素など)を用いて、0℃以下に品物を冷やす熱処理をいいます。

サブゼロ処理は、一般的には液化炭酸ガスやドライアイスを使う処理をいいます。

それ以下の温度に処理するためには、液化窒素ガスを使います。

それを区別するために、-100℃以下に冷やす処理を「クライオ処理」や「超サブゼロ処理」と呼ぶことが多いようです。

サブゼロ処理の目的

サブゼロ処理では、経年変化の軽減、焼入れ硬さの上昇などを目的としています。

一方、クライオ処理では、寿命向上や耐摩耗性向上などを目的に実施されていますが、その効果はよくわからないことも多いようです。

冷媒について

一般的には、品物を0℃以下に冷やして、組織や性質を変化させることを目的としているので、品物を冷やす手段では、①電気冷蔵庫(~-80℃程度)  ②氷と食塩(~-20℃程度)  ③液化炭酸ガスやドライアイス(~-75℃程度)  ④液化窒素ガス(~-180℃程度)などがあります。

もちろん、極低温にできる液化アルゴンガスなども使用できますが、高価なので、通常の熱処理では使用されていません。

サブゼロ処理は焼入れ直後に実施する

この、液化炭酸ガスやドライアイスを用いて-80℃程度に冷やすサブゼロ処理は、焼入れ直後に0℃以下に冷やすことで、未変態のオーステナイトをマルテンサイトなどに変化せて、 (1)硬さの上昇  (2)経年変化の防止  する目的のために行なわれることが多く、これによって製品の長寿命化につながるために行われています。

ただ、この目的では、これらの処理は焼入れ直後に行う必要があり、焼戻し後ではその効果が薄れます。

しかし、実際の熱処理作業では、焼戻しをしてからでは効果が低くなるのですが、少し大きな品物や残留オーステナイトが多い鋼種を、焼入れ直後に急冷すると焼割れを起こす可能性があるので、150℃程度の焼戻しをしてから0℃以下に下げる方法でサブゼロ処理をすることもあります。

もちろんこの方法では、焼割れに対する安全性は高まりますが、サブゼロの効果は小さくなります。

クライオ処理

-100℃までのサブゼロ処理に対して、品物を-100℃以下にする処理は「クライオ処理」と呼ばれます。

これは液体窒素を利用して-150℃以下に品物の温度を下げる処理を言います。

サブゼロ処理とは異なって、通常の熱処理(焼入れ・焼戻し)が終わった製品でも耐摩耗性や寿命の向上などに効果があると宣伝をされているケースもあります。

しかし、クライオ処理による効果や変化などについて、様々な研究や検証などが行われているものの、それらの有効性や効果はよくわかっていない状況です。

また、WEBなどに、クライオ処理をすることで音響効果が良くなったり、電気的特性が変わる … という記事などもみられます。

これについても、感覚的な評価がほとんどで、学術的な理由や継続的な効果などもよくわかっていません。

(このページの内容はクライオ処理の項などにもあります)