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マルエッチ|焼入れや調質をいう業界用語

これは、「焼入れ」又は「調質」のことで、慣用的に使われる鉄鋼関係業界の用語です。

熱処理現場では「マルエッチする」「エッチ材」などのような使い方がされています。

「マルエッチする」とは、「調質をする」という意味で、「エッチ材」は、すでに調質済みの鋼材で「マルエッチ材」ともいいます。

さらに、焼ならしされた材料は「マルエヌ材」「ノルマ材」とよばれますし、焼なまし済み材は「マルエーザイ」などと言われます。

これらも同様の鋼材や熱処理業界内で使われる用語です。

このような記号で表示される場合もあります。これはJISによる表示ではありません。

特殊な熱処理記号の例

これは、マルエッチは調質材、マルエヌは焼ならし材、マルエーは焼きなまし材を表しています。

マルエッチなどの言い方は、この記号から来たもので、これらも業界特有の表示です。

この、マルエッチ … などのいい方は主に、鋼材関係業界で使われる用語のようで、一般的な用語ではありませんので注意しましょう。

しかし、しばしば、鋼材に関係ある熱処理業でもよく耳にします。

このような独特な表示は次第の見られなくなってきています

現在はJISに基づいた表示が多くなりましたが、出荷時の現品につけるエフなどの表示を手書きする際に、S45CⒽ のように、S45Cの後に「丸囲みのH」を書く場合もありました。

この表示方法も慣習的なものでJISに基づく表示ではありません。

もっとも、JISの表示もわかりやすくはないのですが、次第にJISの表示方法になってきています。

その他の慣用的な言葉

このように、慣習的に使われていてわかりにくい用語や、混同しやすい用語もあります。

「アズ・クエンチ」「アズ・キュウ」や「H鋼(エッチ鋼・エイチ鋼)」などは、間違いやすいものです。

この「アズ・クエンチ」は As-Quench のことで、焼入れ状態のままであること… という意味です。

同様に、焼入れしたままの硬さは「アズキュー硬さ」などといわれることがあります。

これも一般用語ではありませんが、現在の熱処理試験の図表やグラフなどにも「焼入れのまま」などと表記しないで「As-Q」などの表記は使われていますので、この表現は覚えておいていいと思います。

そして、S45C-HとS45CⒽ は、全く違うものです。

以下に説明するように、JISのH鋼はJISに規定された鋼種ですから、マルエッチ材とを混同して、間違わないようにしないといけません。

「H鋼」について簡単に説明します

H鋼(えいちこう)」とは、JIS G 4052などで規定される「焼入れ性を保証した鋼材」のことです。(正式なJISの呼び方です)

たとえばS45C-H(またはS45CH)などのように鋼種名の末尾に「H」が付記されています。

これは、ジョミニ焼入れ性試験をした時のHバンドが一定範囲にあることを保証した鋼材で、もちろんS45Cとは違う鋼種として扱うことになります。