パテンチングは patenting treatment つまり、パテンティング処理のことです。
これは、ばね鋼・ピアノ線などを高強度化するために、焼入れ温度から熱浴などで急冷するなどで、線引き加工や圧延に適した組織を得るための熱処理です。
ピアノ線は炭素量0.6~1%程度の炭素鋼線で作られています。
その製造工程は様々ですが、ピアノ線は、基本的には熱間圧延後に冷却段階では空冷されています。
そのために、組織を均質にするために、900℃程度以上の温度に再加熱して急冷して微細なソルバイト組織にした後に、冷間引き抜き加工をすることで非常に強度が高い線にする方法で、その熱処理工程をパテンチング(パテンティング)といいます。
ピアノ線の熱処理後の引張強さは1200MPa(約120kg/mm2)程度ですが、それを冷間で引き抜いて2500MPa程度(200kg/mm2以上)にすることで、強靭なピアノ線が作られています。
一般の焼入れ鋼では、どんな高級な鋼であっても、熱処理で硬さを高くしてこのような高い引張強さは出すのは至難の業です。
現在では、超超強力鋼といわれるものの開発研究がされてはいますが、引張強さの最大値が大きいだけではダメで、ピアノ線が伸びてしまって、音が変わってしまわないようにするのは大変です。
高炭素鋼のピアノ線は19世紀末からあったということに驚きますが、それまでは低炭素鋼の芯線が使われていたようです。

