PR

光輝熱処理とは

光輝熱処理は「光輝焼入れ」と言われることもあります。

これは、保護雰囲気中などで行う熱処理をいい、表面の酸化や脱炭を防止し、品物の表面が光輝状態で熱処理することの総称を光輝熱処理といいます。

この、「光輝熱処理」に対する言い方は「大気熱処理」です。

ただ、どのような熱処理でも、仕上がりが熱処理前と同じ状態にならないので、熱処理前の加工跡が残っている程度でも光輝焼入れという場合もあって、この呼び方は、厳密なものではありません。

「無酸化熱処理」も、極端なスケールや脱炭などの変化が極少であれば無酸化熱処理と呼ぶように、光輝熱処理も、真空や窒素ガス雰囲気などで加熱する場合や、酸化や強度の着色変色やスケールなどが少ない状態で熱処理される熱処理 … という意味合いのものです。

極端な場合は、冷却油の焼付きなどが残るなどの、光輝状態でない場合もあります。

真空油焼入れ炉の例
(大型の真空油焼入れ炉:協力=第一鋼業)

つまり、「光輝」とは、元の表面状態が残った状態で熱処理されるという意味合いです。

完全に光輝状態でなく、脱炭や浸炭、酸化などで有害な表面性状にならない場合をさしているので、例えば、焼入れしたときには光輝状態でも、その後に大気雰囲気で300℃程度以下の焼戻しして薄い酸化や着色があっても、光輝焼入れと称されることもあります。

鋼を空気雰囲気で加熱すると、確実に表面が変質します。

それを防ぐために保護雰囲気(主に窒素ガス)で加熱したり、脱気して酸素のない状態で加熱するのですが、広義の意味では、「無酸化熱処理」と同じ意味合いです。

光輝熱処理を行う主な目的は、脱炭層などの異状層が出ないようにすることです。

もちろん、仕上げ加工が不要になるというものではありません。 熱処理後の仕上げ加工手間を軽減するためです。

だから、光輝焼入れをして、大気雰囲気の焼戻しを行う場合もあります。

このように低温の大気雰囲気の焼戻しを含んでも、焼戻しで生じる着色やスケールはサンドペーパーで磨く程度で除去できますし、脱炭など、内部への影響がほとんどありません。

そして、大気熱処理のように脱炭層が0.1mmを超えて、表面硬さに影響するというような問題は極少です。

注意する点は、このような光輝焼入れを行っても、熱処理後の硬さ検査では、特に測定方法などの取り決めがない場合は、品物の表面をバフ磨きをして硬さ測定をします。

だから、検査あとが残ることも承知しておかなければなりません。

また、硬さ検査は、指定がなければ品物の中央部で測定します。

だから、検査のための磨き処理や測定痕が残ってはいけない部位があれば、事前に打ち合わせをして品物に影響が出ないようにしましょう。