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U曲線(ユーカーブ)|断面の硬さを示した図

断面硬さを示したグラフで、その形が「Uの字」のようになることで「U曲線」や「ユーカーブ」と呼ばれます。

ただし、丸棒のもの以外のデータは見ることはありません。

図のように、円柱状の試験片を焼入れをして硬化させると、表面に近い部分の硬さが高くて、内部に行くほど硬さは低下します。

その様子をグラフにすると、下図のように、その形がU字状になることから、これをU曲線と呼ばれます。

Uカーブの例

これは S45C の例です。

焼入れ性の低い鋼種は、丸棒の横断面の硬さは、内部の硬さが低くなっており、さらに、外径寸法が大きくなるにつれて、全体の硬さが低下していることがわかります。

通常の熱処理後の硬さ検査では、表面硬さしか測定しませんし、さらに、硬さを測定できる部位は限られています。

だから、特に焼入れ性の低い鋼種では、例えば工具などでの働き部分(作用部分)の硬さと検査部分の硬さが異なるので、このような図があれば、その内部の硬さを推定するために利用できるのですが、残念ながら、いろいろな鋼種や棒径の違いなどがわかるデータは見当たりません。

 

ジョミニー焼入れ性試験でも内部の硬さが推定できる

焼入れしたときの内部硬さを推定したり、焼入れ性の程度を知る方法としては、ジョミニー焼入れ性試験結果によっても(概略的ですが)推測することができます。

もちろん、ある程度の硬さの推定しかできません。

また、データも限定的ですから、何にでも使えるのではないので、使い勝手もよくありません。

ジョミニー焼入れ性試験例 SCM435

これは、SCM435のジョミニー試験をしたあとにそれを焼戻ししたときの硬さ推移を示しています。

例えば、この場合に10mm内部の硬さを知りたい場合は、100℃焼戻しで表面部と10mm内部では5HRCの差があるので、焼入れ焼戻し後に表面硬さを測定して、それが 40HRC であれば、10mm内部は 35HRC 程度の硬さと推定できます。

これは、信憑性は低いのですが、使えそうなデータがあれば、全くわからない状態よりもいいでしょう。

ただ、この試験は(油焼入れする鋼種であっても)すべてが「水焼入れによる試験」ですので、通常の油焼入れするものとは異なります。