レアメタルとは、地殻中の存在量が少ないか、採掘コストがかかるなどの非鉄金属をさします。

これで見るように、Mn,Cr,Mo,Wなど、鉄鋼の特殊鋼に含まれる合金元素の多くはレアメタルに分類されるものです。
レアメタルは和製英語
「レアメタル」は和製英語といわれます。 しかし現在、広辞苑にも載っています。
外国では、普通の金属をメジャーメタル(コモンメタル)といい、それに対する希少な金属という意味から、「マイナーメタル」と呼ばれます。
しかし、日本語の「レアメタル」のほうがかっこいい感じですね。
もっとレアな存在の「レアアース(希土類元素)」は英和辞典に載っています。
そして、「レアアース」は普通の英語です。
希少だから当然、相場が形成されるなどで、鋼の合金含有量によっては、鋼材価格変動の要因になります。
それもあって、戦略的な国家備蓄もされています。
「レアメタル」は希少で、産業上不可欠な金属のこと
「レア」と言うものの、上の周期表に見るように、かなり多くの元素が該当しています。
ここで、白金はレアメタルですが、金や銀はレアメタルに分類されていません。
つまり、これは、産業上不可欠かどうかで分類されているためで、鉱物資源の多くは「レア」で貴重なものです。
だから、熱電対などに使われる、貴金属の「白金Pt」はレアメタルに分類されています。
これは、白金が工業用途で使う対象であるのに対して、金や銀は貴金属で装飾品という、昔からのとらえ方である … ということのようです。
つまり レアメタルとは「希少で、かつ産業上不可欠」なものというとらえ方で分類されているようです。
鉄鋼に用いられているレアメタル
レアメタルの中で鉄鋼用に使われているものには、ホウ素B、バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、コバルトCo,ニッケルNi、ニオブNb、モリブデンMo、タンタルTa、タングステンW などがあります。
これらは鋼に対する効果としては、
焼入れ性を高める:B Cr Mn Ni Mo W
耐摩耗性を高める:V Cr Mo W
耐食・耐熱性向上:Cr Ni W Mo
その他じん性や強さを高めるためにこれらの元素は重要なものです。
鉄鋼の製造用のレアメタルは、フェロアロイという形で製鋼時に加えられる「合金鉄」として使われ、鉄鋼生産には欠かせないものです。
フェロアロイは地球上に偏在しており、その生産は、中国、インドネシア、インドなどで、その中でも、中国が突出しています。
そのために、鉄鋼生産国は中国の政治動向が気になるために、しばしば、ニュースにとりあげられます。
もちろん、日本国内でもフェロアロイを加工して、合金用の合金鉄が製造されています。
しかし、本来、鉱物自体の産地や産出量は限定的ですので、輸入する際には相場が形成されており、さらに、産出国の政治的要素なども加わると、価格が変動して問題になります。
しかし、幸いなことに、 鉄鋼の主要成分で、鉄鋼の特性を大きく変える、炭素C、シリコンSi、マンガンMn、クロムCr,ニッケルNi、などの主要合金は、 生産量(産出量)も潤沢です。
そのために、短期的価格変動はあっても、価格、量ともに比較的に安定供給されていて、鋼材価格の変動は少なく、鉄鋼全体の価格も安定しています。
しかし、鉄鋼の特性に関係する合金元素の多くは相場が形成されていて、さらに、供給に不安定な要因があるために、特に合金元素量の多い工具鋼などを作るメーカーでは「サーチャージ」や「エキストラ」という言い方で、 鋼材価格の変動幅を半強制的に調整する仕組みが出来ています。

