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DS(ディーエス)ハード|表面処理

窒化などの表面処理は、ごく表面に薄い処理層をつけるだけですが、うまく品物に適応すると、非常に寿命の延長に効果的です。

その反面、処理費用も安価でないので、簡単に、「やってみよう」というのも難しいかもしれません。

ここでは第一鋼業(株)さんが行っている窒化処理を例に、その考え方などを簡単に紹介します。

この処理の内容は、「ガス窒化」に分類されるものです。

さらに、複合窒化処理と言われる窒化処理で、ガスの中に色々な生成層を作るガスを加えることで、窒化に加えて、その他の化合物層を生成させて、窒化による耐摩耗性の向上以上の効果を得ようとするものです。

このように、窒化処理をする各社では、特徴のある窒化処理が考えられていて、雰囲気ガスの性状を変えた各種の処理が行われています。

第一鋼業さんのDSハードは、窒化層の上に薄い硫化物層をつけることに特徴があります。

DSハードをしたこの表面 電子顕微鏡によるDSハードによる硫化物層の様子

この写真は、品物の窒化処理に加えて、雰囲気ガスに硫化ガスを加えることで、品物の最表面に硫化物を生成させ、その潤滑性で製品寿命を向上させる処理をした製品表面の状態です。

窒化層の上に1μm程度の厚さで硫化物が張り付いており、この硫化物が潤滑性・含油性を高めているようです。

処理温度が550℃程度以下なので、550℃以上の高温焼戻しをする鋼種に対して行うことで、品物母材の硬さを下げないで表面処理の効果が発揮されます。

つまり、窒化温度が550℃前後ですので、2次硬化を利用する、高温焼戻しをする冷間工具だけではなく、熱間工具の寿命延長に有効で、バッチ処理ですので、品物の硬さに合わせた処理ができることも特徴といいます。

もちろん、窒化層の深さや性状で寿命が変わるので、第一鋼業さんでは、数種類の処理条件で鋼種や用途に応じた処理をしているようです。

どの表面処理も、やれば効果があるというものではない

一般的に、表面処理は寿命延長につながることが多いのですが、費用対効果などを含めると、採用するかどうかの判断が難しい場合も多いようですし、「やればいい」というものではなく、製品を使った様子をみながら、最適な処理条件を見つける必要も出てきます。

表面処理が寿命延長には有効な手段ですが、何に対しても、「絶対に良い」というものはありません。

だから、寿命向上に取り組むには、良い結果を得られる処理条件を探すことも大切なことなので、時間をかけて、いい処理方法を見つけることがカギになってきます。