ソーキングは、拡散のための均熱処理のことで、拡散焼なましとも呼ばれます。
主に、製鋼時に鋼塊の組織を均質化するための加熱処理をいいます。
製鋼時に、溶鋼を鋳型に鋳込んで凝固させると、鋼塊の表面部と中心部は成分偏析や組織偏析が生じます。
これを高温のオーステナイト温度域(再溶融しない温度範囲)で長時間加熱することでそれを均質化させる処理を「ソーキング」と言います。
工具鋼などの高合金鋼の品位を上げるためには特に重要な処理で、その後に圧延や鍛造をすることで、さらに炭化物を均一に分散させます。
このような一連の製鋼過程を経て、鋼片各部の均質化や特性を改善させることができます。

(プロテリアル(旧:日立金属)さんの資料)
これは0.6%C-5%Crのダイス鋼の例で、本来は共晶炭化物が出ない鋼種ですが、造塊方法によっては左のような炭化物が析出します。
このような好ましくない炭化物は、熱処理後のじん性低下の原因となります。
そのために、鋼塊からビレットやブルームにする段階で適当なソーキングを行うことで炭化物が微細になり靱性値の低下が防ぐという方法が取られます。
しかし、上右の写真のように、不適切なソーキングを行うと、部分溶融や結晶粒界への偏析などで逆効果になる場合があるので、注意しなければならないという例です。
もちろん、ソーキングだけではなく、分塊時の鍛錬なども重要な要素です。
これらは鋼材メーカーの技術に係る問題で、これらはすべて鋼の品質に影響しますが、近年の鋼材は、高いレベルで品質が管理されています。

