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粒子分散強化について

これは、熱処理現場などでよく耳にする言葉ではありませんし、熱処理用語でもありませんが、鋼が硬く強くなる仕組みを説明するものとして、知っておくと良いという程度のものです。

… といっても、一つの考え方なので、専門的な説明は抜きで、イメージを持っていただく程度の紹介ですのでご了承ください。

簡単にいうと、鋼が強化する機構(仕組み)の一つです

熱処理の例でいえば、高温焼戻しでの2次硬化や析出硬化型のステンレス(マルエージング鋼)などがこの仕組みによるものです。

鋼では、鋼に固溶した合金元素が、温度を上げることによって、炭化物などの異質の微細分子が鋼の素地中に析出することで強度が増します。

この析出は、転移論(結晶の強さのもとは、結晶欠陥の一つ[=転移]によって生じるという考え方)説明がなされます。

転移論の基本は、鋼が塑性変形する際に、すべり面に沿って転位(粒子のズレ)が生じ、その転移の生じ方の程度が大きくなって強さが増す … と説明されます。(厳密な内容はではありません)

鋼の強化のしくみ(機構)

析出、固溶、浸入、粒子分散 と言われるものがあります。

その中で、熱処理の「二次硬化」や「析出硬化」は、「析出と粒子分散」が合わさったものと考えられています。

また、マルテンサイト変態は新しい組織が、焼入れすることで「析出」するものです。

そして、表面処理の「窒化」は窒素が鋼中に「浸入」することで硬くなる(強化される)などで鋼の強化機構が説明されます。

この、転移と粒子分散については、鋼中に析出した異粒子が「転位」を妨げることで強さが増す … などとも説明されています。

一般的には、析出物が微細な場合を「析出強化」といいます。

そして、析出によって転位が大きく妨げるような場合を「粒子分散強化」といわれるようです。

しかし、これらについての明確な区別はないようです。

その他で、工具鋼の2次硬化やステンレス鋼の析出硬化(時効硬化)は、昇温によって素地中に炭化物などが析出することで転位が起こりにくくなるという説明とともに、それとは別の、体積膨張などによる内部の圧縮応力の増加で強化される … という考え方で強化機構が説明されている場合もあります。