雰囲気炉や真空炉などで炉中で、品物を窒素ガスなどの気体で冷却する際に、窒素ガスなどの圧力を高めておいて、それを一気に噴射することで冷却速度を上げること又はその冷却方法のことを「加圧冷却」といいます。
工具鋼などは熱処理での外観が重要な品物も多いために、真空炉を用いて熱処理されることが多くなっています。
鉄鋼用の真空炉の多くは、窒素ガスを用いて冷却をするタイプの炉が多く、焼入れ冷却時には、圧力を上げた窒素ガスをタンクにためておいて、焼入れ時にそれを一気に放出して、急速に噴射する冷却方法が多く行われます。
ガス量やその流速を増やしていけば、油冷による冷却と同等以上の冷却ができるとされています。
例えば、窒素ガスの圧力を高めて、6気圧以上の圧力でガスを流すなどで、油冷するのと同様に急速冷却ができる炉もあります。
ただ、窒素ガス量を増やすと、ガスをたくさん消費することから、熱処理費用が高価になりますし、ガスによる冷却速度を高めようとするには、大量のガスを一定方向に噴射しなければならず、このことで、品物の歪み(変形)が大きくなりやすいという欠点がでてきます。
これもあって、金型などの精密部品などの熱処理では、熱処理時の変形が少ないことが重視されるために、炉の特性として充分な冷却能力が備わっていても、フルパワーで冷却しないで、油冷より遅い冷却で、できるだけ冷却時の変形を抑えるように作業されることが多い … というのが実情です。
変形を嫌ってガス流量を少なくすると、品物の冷却速度が遅くなって、焼入れ品質の問題が生じますし、圧縮ガスの流量を増やすと、思わぬ変形が生じてしまいます。
冷却速度や均一に冷却することは非常に重要です。
冷却が適当でないと、品物各部の表面硬さのばらつきが生じたり、内部の硬さが十分でなかったり … という問題が発生しますし、冷却速度の低下でじん性の低下による型寿命の低下などが起こりやすいので、十分に冷却について検討しておく必要があります。
