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偏析 (へんせき)について

合金元素や不純物が不均一に偏在すること、または、その状態を「偏析」といいます。

偏析の程度が大きいと、機械的性質などが不均一になって、破壊の起点になるなどの不具合の元にもなるので、一般的には、偏析は好ましくないものです。

鋼は製鋼時の凝固過程では、凝固につれて連続的に合金濃度が変化しながら凝固していきます。

そして、インゴット(鋼塊)にする過程で、その凝固は表面部から始まり中心部が最後に凝固しますので、その間に、連続的に成分が変化して、表面部分と中心部分は、成分組成や結晶形態が違ったものになります。

インゴットの偏析図 インゴットの断面模式図

このような造塊による製鋼の方法では、偏析は完全には避けられない問題です。

そこで、凝固時のコントロールで均質化をさせたり、鋼塊になってからも分塊、粗圧延などの工程でこの不均一さを分散させるなどの操作などの対策で、できるだけ偏析が少なくて均一品質の鋼材になるように製造されています。

近年は構造用鋼など大量に製造される鋼は「連続鋳造」などによる技術進歩のために、かなり偏析は改善されています。

とくに、連続鋳造されたものでは、マクロ組織検査などで露呈する有害な偏析は改善されていますが、小ロットの工具鋼などの高合金鋼では、インゴットでの製鋼が多いために、偏析による品質異常が発生することがあります。

偏析は硬さの不均一や破損の原因になる場合もあって、偏析が少ないほうが高品位の鋼と評価されます。

そのために、製鋼、造塊、ソーキング、鍛錬などの過程でいろいろな対策がとられていますし、ESR再溶解などの特殊溶解なども行われています。

偏析のうち、ビレットの断面など大きな範囲のインゴットパターンなどの偏析を「マクロ偏析」、顕微鏡組織や微小硬さで見るような組織異常などの偏析は「ミクロ偏析」と呼ばれます。