熱処理における不具合とは「不良」「不良品」と同義です。
また、不具合とクレームがつくこと(またはその品物)とは別に取り扱うことが一般的です。
熱処理加工会社側の両者の取り扱い方でいえば、会社内で発生し発見したものは「不具合」で、いったん品物を出荷してから、顧客からの「クレーム」がついた場合とは別々に対応するように規定することをISOの品質要求などで求められています。
そのために、正規の状態にならなかった品物のことを「不具合品(異状品)」といい、品物の状態は別にして、工程手順や工程の内容が異状な場合を「(工程等の)不具合」としている場合も多いようです。
また、熱処理をした結果、何らかの異常があって、それが、外観や検査で、通常の仕上がりの状態のものではないとわかる場合と、外観や検査した範囲ではわからないものの、明らかに工程での異常が確認される場合も不具合(または不具合品)の扱いが求められています。
不具合と不具合品
ISO(JISQ9001:2015 品質マネジメントシステム)の要求事項には、不具合と不具合品並びにクレーム品に対する対応が求められています。
一般的には、社内で発見した硬さ不良、変形・変寸などの品質が顧客が要求する仕様と異なる品物は「不具合品」として別に管理することが要求されています。
これは、顧客側に原因で生じた、例えば、異材混入なども不具合品として扱っています。
この、お客様の手違いなどで生じた異材混入によるケースは、毎年、もっとも発生件数の多いものです。
再熱処理をして、製品が生かされる場合は、まだ損失は少ないのですが、自覚しないで鋼材を間違って混ぜてしまうと、お客様の損失金額がもっとも大きくなりますから、異材混入をしないように、常に注意しておく必要があります。
また、工程内の異常なども「不具合」といいます。 これには、検査結果に表れないものなどもあリます。
工程の不具合
熱処理における、計画した状態以外の工程や品質になるものすべてが「不具合」として扱われます。
不具合には熱処理工程や仕組みの中で生じる「工程の不具合」と、その結果を含めて、検査工程などで発見された「品物の不具合」があり、それらは、通常の工程とは別にして、是正再発防止対策がとられます。
不具合等の異状の場合の処置や再発防止について、多くの工場では、ISO9001に基づく社内規格を定めて運用されており、クレーム(クレーム品)の場合でも、社内的な処置がとれる場合は、品物や工程などで再発防止の処置をとることが求められています。
熱処理をして、後日に不具合が露見する場合もあり、ISOの認証工場などでは、定めのない熱処理文書類の保管期限は3年など … としており、その期間内であれば何らかの対応が取れる仕組みになっています。
重ねていいますが …
私が熱処理に従事しているときに、年間の不具合で、最も件数が多く、損失の大きかったものは「異材混入」でした。(多分、現状も変わらないでしょう)
これも、熱処理するまでに、お客さんが間違えた鋼種を持ってくるケースです。
材料の取り違えは、誰もが「起こることはない」と思っているのですが、実際には多発しています。 この「異材混入問題」対策は常に頭に入れて警戒しておくといいでしょう。

