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熱処理操作と熱処理工程の流れ図について

鉄鋼の熱処理工程は、熱処理品の受け入れから、それを熱処理して出荷するまでをいう他に、熱処理作業中の温度と時間の経過を言う場合が有り得ます。

一つずつの工程は、しばしば「熱処理線図」と呼ばれる、下のような図で表されます。

これは、熱処理の際に行う、加熱、冷却などの操作の温度・時間を示す流れ図のようなものです。

もちろん、このような図を用いないで、 1030℃x1Hr 空冷 200℃x3時間 空冷 2回 … というように、文字で示すこともあります。

しかし、このような熱処理線図があると、温度・時間の流れがつかみやすく、このような図は、熱処理伝票(作業票)などに、作業指示のために用いられています。

熱処理の現場では、「一般作業標準」などで、基本的な仕事の流れが決められており、更に、品物と伝票(作業票)で作業工程を進めるので、そこにこのような線図を書いて、作業の流れをわかりやすくしています。

焼入れ焼戻し工程の例

例えば「焼入れ」の場合では、基本的な作業や手順は決まっているので、加熱温度、保持時間、冷却方法などが示されると、熱処理内容や工程手順がわかります。

熱処理線図の例

この図は、書き方や使い方が統一されたものではありません。

そして、全部の作業を示していません。

しかし、このような図に必要な指示や項目が書かれていると、この図に従って焼入れして、1回の焼戻しをすればいい … ということが、この図でわかるので、これだけで熱処理の一連の作業ができるようになっています。

右方向は時間経過、高さ方向は温度を表しています

この見方は、左から、時間が経過していき、時間の経過が表示されます。

上方向に進む線は温度を上げる過程が示されており、反対に、下方向に進む線は品物の温度が下がっている過程が示されています。

この図を例に、一連の操作を追ってみましょう。

① まず、品物を加熱炉に装入して、いったん指示される「予熱温度」に温度一定時間保持します。

② そして、品物の温度が均一にして、その温度から「焼入れ温度」まで昇温し、一定の時間に品物を保持をしてから、油冷や空冷などの冷却指示に従って冷却操作をすると、焼入れ操作が完了です。

③ 次に、焼入れした品物を加熱炉に入れて、焼戻し温度まで昇温して、そして、決められた時間を保持し、決められた冷却方法で常温まで冷却します。

これで上記の熱処理が完了し、あとは必要な検査などをして一連の熱処理過程が完了です。

もちろん、熱処理のパターンはいろいろあるので、その工程手順に沿って熱処理線図が示されます。

上の図には温度や時間の数値がありませんが、それぞれの項目に、数値などで具体的な情報が表示されています。