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熱処理加工のJIS規格について

製品のJIS規格とは別に、熱処理加工についてのJIS規格があります。

これは俗に「加工のJIS」「加工技術のJIS」と呼ばれています。

焼ならし及び焼なまし、高周波焼入れ焼戻し、焼入れ焼戻し、浸炭及び浸炭窒化焼入れ焼戻し、窒化及び軟窒化のほか、溶接後熱処理方法などのJIS規格が制定されています。

製品の品質規格を示すJIS規格は「製品のJIS」と呼ばれます。

これらのJIS規格は製品のJISとは異なり、JIS規格の要求事項は、JISマークを表示するための技術や管理について要求しており、細目は別にして、いわば、ISO9001(JIS Q 9001)の品質マネジメントシステムの要求事項のようなものとイメージすればいいでしょう。

いずれにしても、熱処理関係以外の人が、このJIS規格票の文言を読むだけではわかりにくい内容です。

平たく言えば、JISマークを表示しようとする会社(JISの認証工場)のための規格です。

加工のJISの要求事項

加工のJISは、製品品質を規定しているのではなく、熱処理加工をした後の製品の品質の確保を要求しています。

それらに、書かれている文言は、JISに基づいて熱処理加工する鋼材やその状態、品質項目、加工設備及びその精度、熱処理加工後の品質項目、表示の方法 … などが規定されています。

この規格対象は、熱処理業者や熱処理事業所で行った熱処理品について、熱処理した製品の品質を保証するために、上の要求事項に対して、社内規格などで規定して管理することを要求しています。

そして、その要求事項が満たされて熱処理品に対して、JISマークを表示することができます。

JIS工場とは

たとえば、JIS B 6913鉄鋼の焼入れ焼戻し加工 では、JISに規定する加工材料、加工の種類ごとに、JISの求める熱処理方法で熱処理を行い、加工後の品質についても、JISに沿うことを要求しています。

そのために、JISにある要求事項のすべてを社内規格などで示して、さらに、加工や品質記録の管理保管などを行い、規定に合格した熱処理加工品にJISマークを表示することができます。

つまりJIS工場という言い方は正式なものではなく、「JISマークの表示許可工場」と呼びます。

JISマークを表示したい工場や事業場は、JISマークの表示許可を申請します。

そうすると、対象の「加工のJIS」に沿って、JISや顧客の要求する品質が確保できる状態にあるかどうかの審査があり、要求が満たされておれば、JISマークを表示して製品を送り出すことができます。

JISでは、製品や製品の加工能力がJISに定める以上であることを求めています。

そのために、JIS認証工場であるということは、JISの最低基準以上の製造加工能力を保有しており、ハイレベルの製造管理能力があるという評価が得られるのです。

しかし、私の経験談をいえば、製品のメーカーではなくて、賃加工の熱処理工場がすべての出荷製品についてJISの要求に沿うというのは管理費用も掛かりますし、その費用を加工賃に上乗せするとお客様が逃げてしまいかねません。

だから、JIS表示品は対象熱処理全体の1%以下という状況でした。

それでも、JISに沿う加工ができる工程能力があれば、どのような大手の注文にも応じられるし、要求を満たす加工ができるという状態にあるということになります。

鉄鋼の加工のJIS規格の種類

以下に、このHPに関係する、熱処理の加工のJISのJIS規格番号と名称を示します。

WEBでも規格票の内容が閲覧できます。

規格は定期的に見直されています。

また、過去には JISは「日本工業規格」でしたが、コンピュータ関連などの新しい分野も加わったために、2019年に「日本産業規格」というように呼び方が変わっています。

JIS B6911 鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工

JIS B6912 鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工

JIS B6913 鉄鋼の焼入焼戻し加工

JIS B6914 鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工

JIS B6915 鉄鋼の窒化及び軟窒化加工

またJISマークも変わっています。加工のJISのJISマークは、外側に丸がついています。

新旧JISマーク