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内部酸化|鋼の内部に進行した酸化

鋼を加熱するとき、雰囲気や品物表面の酸化物から拡散した酸素によって、鋼の内部に向かって酸化が進行することや、酸化した状態を内部酸化といいます。

特に、結晶粒界に酸化が進行しやすいために、「粒界酸化」とも呼ばれます。

これらは、鋼にとっては、好ましくないもので、熱処理肌の部分は、できるだけ機械加工や研削加工で除去するようにします。

この内部酸化は、熱処理の用語としては使われることが少ないのですが、長時間処理をする浸炭や、高温での加工の圧延などでは問題になることがあります。

熱処理加熱中では酸化は好ましいものではない

内部酸化の反対語に外部酸化があります

これは、高温の鋼に酸素が接触すると酸素と反応して酸化物(スケール)などができるものです。(これが普通の酸化反応です)

そして、鋼の成分、加熱温度などの条件によって、鋼の表面部で酸素とうまく反応しない場合には内部酸化が生じるとされています。

ともかく、鋼の耐食性を増すために、表面処理で酸化処理をするものもありますが、熱処理加熱中のでの酸化は好ましいものではありません。

熱処理する品物は光輝肌にすることが標準的

酸化層は変質層ですので、焼入れする前に機械的に除去しておく必要があります。

熱処理では、例えば、大気加熱する完全焼なましなどでスケールが生成しますが、スケールが生成させるときに、同時に、鋼中の酸素を奪う「脱炭」が進行するので、その後に焼入れする場合はその酸化層を熱処理前に除去しておかなければなりません。

このため、たとえ、大気加熱の焼入れであっても、焼入れする場合は、正常な表面(普通は光輝面)の品物を焼入れするようにしなければ、内部に酸化や脱炭が進行して、焼入れ硬さ不良や焼割れなどの不具合が生じやすくなります。

また、焼入れ以外で、浸炭など長時間の加熱や1200℃を超える高い温度のハイスの焼入れなどでは、表面が酸化している品物を装入して加熱すると、内部酸化(や表面の脱炭)が生じる場合があります。

錆びた品物は熱処理してもらえないことも

大気炉の焼入れでは、錆びている品物は脱炭層が増える程度の問題だけですが、雰囲気を調整した炉(真空炉など)を使用して熱処理をしている工場では、表面状態の悪い品物は、他の品物に影響が及ぶために、熱処理を断ることもあります。

また、大気炉の場合であっても、表面にサビやスケールが付着した品物は、加熱時に表面の酸化や脱炭の量が多くなりますから、熱処理品は機械加工の光輝肌で依頼するのが基本です。

機械加工ができない場合でも、サンダーなどでサビやスケールを落としておけばいいでしょう。