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ナイタール|鉄鋼の顕微鏡組織観察用の腐食液

金属顕微鏡組織の観察用の腐食液で、硝酸をアルコールで希釈したものナイタールといいます。

市販の濃硝酸をエタノールで3%程度に希釈したものを標準的に用います。

構造用鋼から工具鋼までのほとんどの顕微鏡組織の観察用に使用されます。

腐食作業の留意点

どのような腐食液を用いるのかは重要です。

腐食液の種類や濃度を変えると腐食速度が変わり、また、組織の見え方が異なってきます。

そのために、顕微鏡試料の作成時は、種類、濃度、温度などを一定にするようにして、組織が一定の状態で見られるように調製する必要があります。

顕微鏡組織観察は、経験が必要です。

さらに、感覚的なところも多分にあって、標準組織と見比べられるようにする練習などを繰り返すことで、その差異や組織の状態がわかるようになってきます。

組織観察は危険な薬品を扱います

金属顕微鏡組織を見るための腐食用の薬品は強酸、強アルカリなどを使いますので注意が必要です。

ナイタールは濃硝酸をアルコールで希釈しますが、この濃硝酸は、直接触れても、発生したガスを吸引しても有害です。

そのために、その保管と取扱い使用の際は十分に注意しないといけません。

そのために、薬品類の取扱者には、中学時代にならう程度の化学の知識と毒物劇物に対する知識を教えた上で取り扱いをさせるなどで安全を図る必要があります。

保管場所は施錠して、関係者以外が触れないようにすることも大事です。

希釈するアルコールはエチルアルコールが無難です

アルコールは希釈のためのものであるので、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなど、どれを使用してもほとんど変わらないようです。

しかし、価格の安いメタノールを使う場合は、毒性には特に注意しないといけません。(安全のためにメタノールは使わないようにしましょう)

ナイタールは普通鋼、工具鋼などの多くで使用できます。

しかし、焼入れ状態の組織を観察したり、ステンレス鋼の組織を観察には腐食速度が遅いので不向きです。

腐食液は限定しておくのがいい

多くの顕微鏡写真などがナイタールを使っているものが多いこともあって、同じ腐食液を使うと比較しやすいので、ナイタール以外の腐食液はほとんど使用しなくなっているようです。

その他に使う鉄鋼用腐食液では、ピクラール(ピクリン酸アルコール液)、酸化第2鉄溶液、王水または王水のグリセリン希釈液などの腐食液を使用することもあります。

いろいろな、きれいな組織を見ることができる腐食液もありますが、標準組織やその他の組織との違いを見る目的が多いでしょうから、基準はナイタールにしておくと、組織の異常や標準組織との違いなどがわかりやすいでしょう。