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結晶粒度|顕微鏡でみた結晶粒の大きさの程度

顕微鏡観察したときの結晶粒の大きさを「結晶粒度」といいます。

JISでは、オーステナイト結晶粒度やフェライト結晶粒度などが顕微鏡による試験方法として規定されています。

一般的には粒度番号で表します。番号の大きいほうが「細粒」で、小さい数字ほど「粗粒」です。

比較法とは

結晶粒

一般的な測定は顕微鏡写真と標準粒度表を比較して粒度を決める「比較法」が一般的です。

顕微鏡で見る面はこの写真のように、結晶粒が立体的に分布している結晶のある断面を見ていますので、たとえ鋼材の結晶粒がそろっていたとしても、大きさが異なって見えます。

このために、標準の粒度表と比べて判定します。この方法が「比較法」です。

JISでは100倍の倍率において25mm平方あたりの粒数を粒度番号としています。

もしも、この中に1粒あれば「1」、2つあれば「2」… と定義しており、光学顕微鏡の接眼レンズにはめて透過して見えるような、下のようなパターンのテンプレートと比較して粒度判定するのが一般的です。

結晶粒度テンプレートの例  結晶粒度の比較用スケールの例

粒度については、このスケールで、5以下を「粗粒」といい、それ以上を「細粒」としています。

ただし、一般的には、細粒鋼のほうがじん性などに優れているために、8以上を要求する場合が多いので、8以上を細粒 とする場合があります

そのこともあって、近年では、圧延や鍛造の圧下度や温度管理によって、鋼の結晶粒度が粗粒にならないように、鉄鋼製品は十分な管理をして製造されています。

結晶粒の成長

結晶は、その並び方(方向性など)の違いでその境界に結晶粒界ができるのですが、温度が高いとそれが成長していきます。

明らかに粒度の違うものが混じっている状態のものを「混粒」といっています。

混粒は製鋼、熱処理、鍛造時などでの温度管理や工程の不適で発生するもので、これは、あまり好ましいものではありません。

近年は試験方法も変わってきています

近年、結晶粒度の測定は、光学顕微鏡によるのではなくて、電子顕微鏡やX線回折によって結晶粒の形状や粒径を読み取る方法で結晶粒度を表示していることが多くなりました。

その方法としては、直交する線で切断される結晶粒をカウントして計算で求める「切断法」や、面積から算出する方法(求積法)、その他の方法で求める方法などが実施されています。

いずれもコンピュータなどで数値演算して粒度を少数位まで算出されるので、簡便で正確だという感じもあります。

しかし、比較法との差異があることなどについても指摘されることもあります。

だから、厳密そうな数値のほうが正しいと勝手に過信してはいけません。