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拡散焼なまし(かくさんやきなまし)

製鋼時に高温のオーステナイト状態で加熱して、均質化を図る方法をいいます。

ソーキングとも言われます。

市販の鋼はいろいろの元素をふくんでいます。

そのために、製鋼する場合には、合金元素をただ単に混ぜればいいというものではなく、特に化合の仕方や比重、凝固の仕方などで製造過程で鋼材の特性を左右させるいろいろな項目や条件が生じます。

鋼が溶湯から鋳型に流し込まれて凝固する過程では、鋼塊に下図のような不均一さが生じます。

そのために、鋼塊になったのちに、それを軽減する方法の一つに拡散焼きなまし(ソーキング)があります。

鋼塊の模式図

鋳型に鋳込まれた状態では、この図の例のように、成分や組織が偏析して凝固します。

このため、普通は、再加熱、分塊、粗圧延された鋼塊を、鍛造温度以上のオーステナイト領域の高温に保持して、不均一状態の組織や成分を拡散させて軽減させる操作をします。

これが「拡散焼なまし」です。

その後に、さらに鍛造(圧延)などの熱間加工を行って、均質化や結晶粒の調整を経て均質な鋼が製造されます。

熱処理の焼なましの種類としては、完全焼きなまし、球状化焼なまし、応力除去焼なまし … などがありますが、これらは、硬さを下げたり加工しやすくする熱処理であるのに対して、この拡散焼きなましは、鋼塊の均質化を図るものです。

つまりこの拡散焼なましは、熱処理温度域が非常に高い温度で処理される、少し違った熱処理ですが、「焼なまし」という言葉になっています。

現在は汎用鋼などは鋳型に鋳込まない「連続鋳造」が増えていますが、この場合でも、この「ソーキング」は鋼の均質化には重要な工程です。