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熱処理における 拡散(かくさん) について

分子が熱によって移動する現象を「拡散」といい、分子の拡散によって、析出再結晶、浸炭などの熱処理が進行します。

熱処理ではこの言葉は非常に大切なのですが、わかりやすく説明されることは少ない項目のようで、ここでは専門的に説明するのは避けて説明します。

拡散現象とは

例えば、色の違う液体を混ぜると時間とともに混ざり合って、均一になっていきます。

また、そこに熱が加わると、その進行が速くなるなどもありますし、時間とともに、その均一化が末端まで進行していきます。

それが拡散現象です。

熱処理に、「拡散焼なまし」と言う用語があります。

これはソーキングとも呼ばれ、製鋼の際に溶湯を凝固させて鋼塊を、再度加熱して、オーステナイト温度の高温領域で保持して、不均一になっている成分や組織の状態を、拡散現象を利用して均一化して、品質を高める方法です。

また、雰囲気の元素濃度の違いを利用する「浸炭」や「窒化」も「拡散」現象を利用しています。

これらの処理では、雰囲気中の元素(浸炭では炭素、窒化では窒素)が母材と反応しながら表面から内部に向かって鋼中に進入しいきます。

この時に、雰囲気の濃度と鋼中の濃度は差が大きいほうがよさそうですが、鋼にそれらを進入させるのはいろいろな反応や条件が加わるので、そんなに簡単なものではありません。

鋼の内部へその他の元素を進入させる方法は、成分、温度、濃度などの最適条件を見つけてやる必要があります。

また、キャリヤと呼ばれる、水素その他の助けを借りたり、温度変化を加えたり … というように、様々な方法で処理されることになります。

個々の用語もろいろ説明すべき内容があるので、理解しにくいと思いますが、言葉の意味は、「拡散とは、分子が熱によって移動する現象だ」と考えておくといいでしょう。