グロー放電など、プラズマを用いる熱処理の総称を「プラズマ熱処理」と呼ばれています。
鉄鋼の熱処理では、プラズマ浸炭・プラズマ窒化が行われています。
イオン窒化にも、グロー放電によるプラズマでの昇温を利用している場合もありますが、比較的先進的な熱処理方法のこともあって、はっきりとした用語や内容が定義がされていない場合もあって、メーカーや熱処理企業によって呼称は統一されていない状況です。
「プラズマ」は、気体分子が陽イオンと電子に電離した状態のことをいいます。
熱処理に利用できるよな状態を作り出すには、品物を容器内に入れて、真空に近い状態まで減圧してから、品物を陰極(マイナス極)にして ~1000V程度の電圧をかけると電子が電離している高エネルギーのプラズマ状態になります。
自然界では、太陽の内部、雷、オーロラなどでプラズマ状態が生じています。
この状態は、高エネルギーの状態であり、このプラズマの高エネルギーを利用して、加熱や雰囲気ガスとの反応をさせる熱処理法を「プラズマ熱処理」といいます。
プラズマ熱処理では、プラズマの熱だけで加熱して処理する場合と、電熱ヒーターなどを用いて補助的に品物の温度をあげてから、プラズマ状態でガスとの反応を起こさせる場合など、加熱の様式は様々な状況ですが、それぞれに特徴があるようです。
また、例えば「プラズマ窒化」と呼ばれる熱処理は、減圧した容器内でプラズマ放電を利用して500℃程度の温度で鋼に窒素を反応させて表面を硬化するなどの処理をいいます。
これについても、プラズマ放電時に発生する熱を利用して、品物の温度を上げるタイプの装置や、ヒーターなどの補助加熱装置を併用して窒化処理をする装置などがあります。
このプラズマ状態は、厳密にいうと、電気的に中性の状態です。 これとは別の、電離粒子を加速する「電子ビームやイオンビームなどによる加熱や熱処理」もあり、これらは「プラズマ熱処理」とは別にして分類されていることも多いようです。
つまり、この分類や命名はメーカー各社で行っている状況なので、現状では、熱処理用語としての、はっきりした区別や定義はされていない感じです。
