鉄鋼の組織がオーステナイトに変態する温度に加熱することをオーステナイト化するといいます。
しばしばオーステナイト化温度は「焼入れ温度」という意味でも用いられています。
例えば、炭素鋼などを加熱すると、結晶構造が面心立方晶に変わるのですが、その状態に加熱して、速い速度で冷却すると、硬化しますし(これが「焼入れ」です)、ごくゆっくり冷やすと、柔らかい鋼になります(これが「焼なまし」です)。
焼入れをする際など、加熱によってオーステナイト状態にすることを「オーステナイト化」と言います。
標準焼入れ温度
通常、それぞれの鋼種のJIS規格やメーカーカタログなどには、適正なオーステナイト状態になるように標準焼入れ温度が示されています。

プロテリアル(旧:日立金属)さんのカタログより
この焼入れ温度は、焼入れをした時の硬さなどの機械的性質で決められます。
焼入れ時の加熱温度が低すぎると、オーステナイト化が不十分になって充分な硬さが出ませんし、高すぎると結晶粒が粗くなって機械的性質(特にじん性)が低下します。

しばしば、硬さが出にくいとか耐摩耗性を高める … 等の理由で、高めの焼入れ温度にして焼入れをする場合があるのですが、あまりすすめられる考え方ではありません。
どのような場合も、焼入れ温度を高くすると結晶粒が大きくなるので、これは好ましいものではありません。

