レアアースとは、レアメタルの中の希土類元素17種をさしています。
比較的耳にするものでは、磁石用のネオジムや蛍光体のイットリウムなどがあります。

(通産省のHPより)
レアアースという言葉は、近年、しばしばニュースに取り上げられています。
しかし、鉄鋼の特性を高めるための合金元素にレアアースを使う … などの話題は、ほとんど耳にすることはありません。
レアアースによる特性向上は不明?
鉄鋼中に加えられる合金元素は、何らかの特性(たとえば強靭性や焼入れ性など)を高めるために加えられています。
でも、現状では、鉄鋼にレアアースを含有させて特性を高めているという例はほとんど聞いたことがありません。
この理由は、1つには、レアアースの特性や特徴がよくわかっていないことで、もう一つの理由は、合金元素として用いるには、供給安定性やコストの面で問題がありそうなこと … などがあって、研究や実用が進んでいないと思われます。
もちろん、公表されていなくても研究はされているでしょう。
でも、話題になっていないところから見ると、画期的な鉄鋼の特性アップに結び付いていない状態にあるか、話題になるほど、研究されていないということでしょう。
現状では、鉄鋼種に対するレアアースの特性などについてもよくわかっていない状況ですし、コストに見合う以上に優れた特性があるかどうかもよくわかっていない … という状況だと考えていいでしょう。
過去に、「鋼は大根よりも安い」というイヤミも言われていたくらいに、鉄鋼は、高品質で有用な鉄鋼製品で、最高の技術や手間をかけている割には、価格が安く、また、その付加価値を充分評価されない状態です。
だから、いくら鉄鋼とレアアースの研究は行われて、何らかの特性向上の成果があるとわかっても、製品化されるのは、ずっと先になるという感じがします。
鉄鋼の性能向上は手探りの結果
精錬や製鋼の技術の進展の歴史を見ると、『やってみてどうなるか』という錬金術のようなものから基本に発展してきた部分も多いので、きっとどこかで研究はされているでしょう。
しかし、高価で供給不安もささやかれるレアアースを使ってペイする結果を出すとなると、研究に着手するのもハードルが高い感じがします。
ニュースなどでは、レアアースの中で、ネオジム、サマリウム、プラセオジュムなどが強力磁石の材料に使われているのが知られます。
レアアースの多くは中国で産出され、産出量の半数が日本で消費されています。
WEBで通産省のHPを見ると、レアアースは、かなりいろいろな用途に使われているようで、国家戦略による備蓄も計画されていますが、鉄鋼では、「レアメタル」としての有用性に比べて、レアアースは、まだまだ未知の元素と言えます。

通産省のHPより 通産省のHPより

