組織とは

説明の中では、しばしば「組織」という用語が出てきます。このHPでの「組織」は、断りがなければ、「金属顕微鏡組織」のことをさしています。

組織を見る場合は、小学校で実験に用いた、光を通して観察する光学顕微鏡とは異なり、見ようとする表面を鏡面になるように磨き上げて、適当な腐食液を用いて腐食し、それに光を当てて反射した像を観察する「光学金属顕微鏡」等を用います。

通常は50~1000倍程度の倍率で観察することができます。
近年は、デジタルマイクロスコープなどを用いて、3000倍を超える倍率で観察できるようになっていますが、組織の比較観察などでは100から400倍程度の倍率がよく用いられます。
金属顕微鏡マイクロスコープ
上記は、いずれも当社の設備で、左は金属顕微鏡、右は、デジタルマイクロスコープです。

最近の機種では、パソコンで画像処理することによって、表面角部の研磨ダレなどを補正できるほか、最表面部の組織や刃先などを立体的に表示することなどもできますので、非常に多くの情報が得られます。

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顕微鏡試料

金属顕微鏡では、大きな面の組織を見ること自体が難しいので、品物を切断して小さい試料にして、樹脂に埋め込みます。
これらの作業では、大きな品物から試料を切りだすまでには時間と手間がかかります。

当社の場合は、破損原因の調査などの機会も多いので、 大きな品物は、溶断、ワイヤカット放電加工機、高速砥石切断機、マイクロカッターなどの機械を使って、観察位置や結果として予想される組織をイメージしながら小さい試料を作成する作業をします。

樹脂などに埋め込んで、観察しやすいような試料に成形することが多いのですが、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂では150℃程度の熱を加えるために、 熱の影響を受けてはいけない品物の場合には、エポキシ樹脂などを使って熱が加わらないようにして埋め込みます。

試料研磨

次に、その試料の表面(検鏡面)を、鏡面になるように仕上げをします。

エメリーペーパー(研磨紙)の番手の粗いもの(#120番)から順次細かい番手を用いて、磨く方向が直交するように磨いていって、最終的には、#1500から#2000番の研磨紙で磨くと、ほぼ顔が映る状態になり、その後さらに、アルミナの懸濁液を用いて湿式でバフ研磨することで、最終的にはペーパー目のない鏡面に仕上げます。

この作業は、単純作業ですが、熟練が必要な、難しい作業です。また、試料研磨専用機械もありますが、数個程度では、手作業のほうが早い状況です。

腐食

非金属介在物や炭化物分布、割れの進行具合などは、そのまま金属顕微鏡で観察します。

また、組織を観察する場合などでは、適当な腐食液で観察する表面を腐食してから観察します。

腐食液によって腐食をすると、小さな部分ごとの組織で腐食され方の違いが出て、表面に凹凸が出るために、それが組織として観察出来ます。

当社では、3%ナイタール(硝酸3%のアルコール液)を使用することが多いようです。

ステンレスや腐食しにくい焼入れ状態の鋼は、王水(硝酸と塩酸の混合液)や王水とグリセリン混合液などを使うことが多いのですが、電解研磨をしたり、 その他の腐食液を用いて観察する場合もあります。

腐食液によって、かなり組織の様子が変わりますので、観察は、経験や慣れが必要な作業です。

多少見にくくても、同じ腐食液で比較するといろいろな違いを見分けられることも多いようです。

この腐食液の多くは強酸性のものが多く、危険な薬品もありますので、保管取扱い確実にするとともに、廃液の処理なども環境・安全に配慮することが必要です。

観察

観察には、金属顕微鏡を用いて、通常は 100~400倍程度の倍率を使用します。

熱処理に関する観察内容としては、JISなどに定められた、結晶粒度、介在物、脱炭試験などの特定試験項目もありますが、熱処理状態の可否判定などでは、 あらかじめ標準的に熱処理された試料との比較で確認することが多いでしょう。

金属光学顕微鏡では、最高1000倍程度まで観察可能ですが、像が暗くなり、視野が小さくなって見にくくなります。高倍率で観察したい場合は、 デジタルマイクロメータを用いると3000倍以上の観察が可能で、それ以上の倍率で見たい場合は、電子顕微鏡などを使うことになります。

これも同様に、ただ高倍率で見ることができるだけで、金属顕微鏡とは違った見え方をしますので、経験と熟練を要します。

品物の切断面を磨くときは、試料全面を完全にフラットに仕上げることは難しく、周囲がダレてしまいますので、硬い材質のものを添えて埋め込むなどのテクニックが必要ですが、近年では、顕微鏡等に付属するデジタル画像修正を利用して、 写真に撮って観察できることで、非常に便利になっています。

倍率については、400倍では 1mm÷400=0.0025で、これが1mm程度になって目視できるということですが、実際には、この倍率では、0.01mm程度の大きさの対象物が判別できるかどうか・・・という感じでしょうか。

近年は、**倍という表示ではなく、スケールを写真中に写しこんで、寸法表示をする 表示方法を用いられることが多くなっています。 この場合、例えば50μmのスケールが10mmの長さで見えていると、倍率は、10÷0.05=200倍ということになります。

先にも述べましたが、組織の見え方は、腐食液の種類や濃度、腐食時間などによって非常に異なったものになりますので、観察や写真を撮る場合には熟練が必要となります。 そして、顕微鏡写真などを見る場合には、使用された腐食液や撮影倍率にも注意する必要があります。

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熱処理品の調査について

焼き割れや使用中の早期破壊などで熱処理の異常が疑われる場合には、外観観察、寸法検査、硬さ検査 などとともに、組織観察が非常に役立ちます。

そのために、熱処理における異常の可否を見ようとした場合には、組織を調べる前に、
①割れの位置や割れ起点について外観を観察すること 
②寸法測定をして、 どの程度変形変寸しているのかを確認すること 
③硬さ検査では、現物の広い範囲で硬さ検査をして硬さ分布を詳しく調べる・・・

などはもちろん、品物を切断して断面の硬さ分布を測定したり、マイクロビッカース硬さ試験機を用いて、表面からの微小部分の硬さ推移などを測定すること・・・などを済ましてから、顕微鏡組織を観察する・・・などの手順が一般的です。

もちろん、これらの一連の検査や調査結果の判断には、その技術だけではなく、経験や知識に基づいたノウハウが必要になるのはこれまで言ってきたとおりです。

【破損の原因調査】
当社での過去の調査例を見ますと、①材料の異常 ②熱処理の異常 ③設計や使い方の問題 ④不明 などが報告されています。しかし、検査結果に基づいた破損原因の推定や特定となると、製造責任などの責任や賠償問題に波及しますので、その結果や判断は慎重にする必要があるのは言うまでもありません。

「調査」と言うと、破損した品物の原因を探り当てるという意味合いが強いのですが、割れたり破壊するのは、品物を使ったからであり、そして、内部応力または外力が、材料の持つ能力を上回ったことによる結果といえます。さらに言えば、完全無欠の組織などはありえません。

調査結果は破損原因の一つの可能性を示しているということしか言えません。

このために、品物の製造過程の不具合や品物自体の異常を調べるだけでなく、材料取りの方向性などの加工工程設計の問題、製鋼の工業的限界を含めた材料の製造上の問題、鋼種上の一般的品位との比較などの製鋼上の限界の問題、設計上の問題点・・・などを含める必要も出てくることになるでしょう。

ここで問題です。少し考えてみてください。
例えば、事故報告書に次のような文言があったとすれば、これを見て、あなたはどんな風に考えますか?


①継ぎ手部分に材料欠陥があり、そこに応力が集中して・・・ 
②中心部の焼入れ冷却速度が不十分のためにパーライト組織が・・・
③割れ付近の炭化物に沿って割れが進行しており、材料欠陥の可能性が・・・
④割れ部の衝撃試験が正常値の60%であり、熱処理不良の可能性が・・・
⑤外周の硬さに対して、隅角部で5HRCの差がみられ、熱処理方法に問題・・・

・・・・などの文言を見るといかにも信憑性が高いような感じがしてしまいそうですが、この文章をみて破損原因を「本当?」と疑うことができますか? 

もちろん、調査された結果は正しいのですが、高倍率、高精度の高額機器を使用すれば、どんな小さな異常も発見できてしまうのが現実です。

それを別な角度の、例えば、材料取りの方向性の問題、製鋼の工業的限界、鋼種上の一般的品位、設計上の可否・・・などを考えて対策を打てるようならば、その調査は値打ちがあるといえるのですが、責任や損失金額を決めるための調査なら、報告書を読む側も知識や技術力をもって読まないと大変なことになってしまいます。

さらに、大会社や研究機関に依頼すればいいというものではないし、試験結果や原因の特定や判定は慎重に行わなければなりません。

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顕微鏡組織

この項目は、広範囲にわたりますので、簡単に紹介します。
組織の多くは、「標準組織」という状態を示しているものが多く、たとえば、事故品の組織を見た場合に、標準組織との違いから、熱処理状態や材料の適否などを判定するという使い方が多くなります。

異常な組織写真を見る機会は少ないのですが、洋書の Metals Handbook には、特殊な熱処理をした組織などがたくさん掲載されていますので、興味ある方は一度ご覧いただくといいでしょう。

実際的に組織の判定をするには経験や知識が必要です。例えば、観察する面(検鏡面)の試料採取位置や圧延方向の違い、腐食の方法などで、まったく別の組織に見えてしまうので、 ここでは、標準的な組織として、山本工具化学研究社と日立金属の組織写真を引用して組織の見かたについての一部を紹介しています。

組織を説明するための、炭素鋼の標準的な顕微鏡組織の一例を見てみましょう。
通常は400倍程度の倍率のものが多いのですが、コピーをしたものですので、倍率は正確ではありません。約350~450倍程度です。

まずこれらの炭素鋼のうちの共析鋼(SK85相当)で説明されるものが多いので、それを理解してから他のものにすすむといいでしょう。何点かの見かたについて示します。


マルテンサイト組織

マルテンサイト 

共析鋼を水焼入れしたままの状態では、マルテンサイトと呼ばれる、非常に硬さが高い状態の組織になっており、顕微鏡組織を見るためには、研磨して、さらに鏡面状態にした鋼の表面を、酸(この場合は、ナイタールと呼ばれる硝酸アルコール溶液)などで腐食します。

この焼入れ状態の組織は、腐食がされにくい組織で、これを180℃前後の低温の焼き戻しすると、焼戻しマルテンサイトという、組織的には見た目にはほとんど変わりませんが、やや腐食されやすい状態になります。

焼入れ温度と冷却が適当であればこのような均一組織となり、64HRC程度以上の硬さが得られます。

マルテンサイトは細かく、針状で、かなり冷却が速くなければこのような均一の組織は得られませんので、通常の品物では、このような組織にするのは難しいでしょう。 また、ナイタールは、当社では硝酸濃度が3%程度の薄めのもので長めの時間で腐食するようにしていますが、濃度や時間によっても組織の見え方は変わります。


マルテンサイトと残留オーステナイト

マルテンサイト+残留オーステナイト

1.1%Cの炭素工具鋼(過共析鋼)を通常の焼入れ温度(800℃)よりかなり高い温度(1030℃)から水焼入れした組織です。

ナイタールで腐食をすると、 組織は粗い感じになって、未変態の残留オーステナイト(白い部分)が多く見られます。

この写真からは、結晶粒が粗大化しているかどうかの判定はできませんが、 硬さは、正常な組織のものに比べて低下していますので、それで判定することもできます。

これを焼戻しをしますと、オーステナイトの一部がマルテンサイトになる場合もありますが、粗くなった組織は改善されないために、 変形や硬さムラの原因となり、最高硬さも低下します。


マルテンサイトと球状セメンタイト

マルテンサイト+球状セメンタイト

上記と同様の1.1%鋼を適正焼入れ温度で水焼入れした組織です。

C量が飽和している「過共析鋼」のために、未溶解の炭素は白い粒となって見える炭化物 (セメンタイト:Fe3C)となって残ります。

この硬さは65HRC以上ですが、炭素鋼は焼入れ性が低いので、厚さが10mm程度以上の 品物になると、冷却が遅くなって、内部は不完全焼入れとなり、 硬さも低下し、組織も変化します。


パーライト

炭素鋼を、指定された水冷などではなく、油冷など、ゆっくりとした冷却になると、マルテンサイトではなく、トルースタイト、ソルバイト、パーライト などと呼ばれる層状組織になります。

焼戻しの説明をする場合には、「焼入れ状態から焼き戻し温度を上げていくと、 以下に示すソルバイトなどの組織に変化していく」と説明されますが、焼入れ時の冷却速度が遅くなった場合には、マルテンサイト量が減るにつれて、 パーライトの層状が細かいトルースタイトと呼ばれる組織や、その層状が少し荒くなったソルバイトと呼ばれる組織になります。

これらの組織は固溶体としての変化ですので、層間距離が変わっているだけで、これが、硬さの変化 となって現れます。

SK85の鋼材を購入した状態(焼入れをする前)は、通常、焼なましされており、機械加工がやりやすい状態になっています。この時の組織は、パーライトと呼ばれ、 さらに荒い層状組織になっています。

この組織を拡大してみると、柔らかい部分はフェライト、硬い炭化物部分をセメンタイトと呼ばれる組織になっているのを観察できます。

ツルースタイト   ソルバイト 
 トルースタイト          ソルバイト      
パーライト   パーライト 拡大 
 パーライト            パーライト(拡大)

上記は、共析鋼の場合ですが、例えば、共析鋼より炭素量が低いS45Cなどの鋼(亜共析鋼)では、オーステナイト状態(約800℃程度)からの焼入れをすると、 成分量に応じて、フェライトの結晶と共析成分の結晶が析出します。

S45C焼ならし組織

写真はS45Cの空冷組織で、白い部分がフェライトで、共析成分の部分はフェライトとセメンタイトが層状組織が見えています。

これが、空冷ではなく、 水焼入れをすると、その共析部分がマルテンサイト変態することになります。(白いフェライト部分は残ります)

ここでは、ミクロ的な硬さの違いがある状態になっていることになります。

このフェライトは、初析のフェライトといい、硬さは、柔らかい組織ですが、 残りの部分の組織の違いで、硬さが変わることになります。

マイクロビッカースで、各部の硬さを測定すれば歴然とした硬さの差がわかりますが、ブリネルやロックウェル硬さでは、平均的な硬さとして測定されることになります。

この組織では、白っぽい部分や黒っぽい塊の部分がオーステナイトであった時の名残を示す結晶粒が見えています。

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工具鋼の組織の例:SKD11

工具鋼の多くは、含まれる合金元素の種類や量によって、様々な組織が観察されますが、ここでは、SKD11(日立金属のSLD)の例を紹介します。

SLDは、炭素量が1.5%で、それが炭化物となって、組織中に点在しているのが見えます。(共晶炭化物と呼ばれます) これは、焼入れによって変化しないもので、非常に硬いものです。

工具鋼の多くは、工具などの寿命を考えると、硬さはもちろん、じん性などのネバさが重要ですので、それを確保するためには、 焼入れ温度の管理が必要になり、それを確認するのが重要になります。

SLD(日立金属カタログから)①低温焼入れ

①SLD(日立金属カタログから) 低温焼入れ:焼入れ温度が低い組織


SLDの適正焼入れ温度は980-1050℃とされていますが、これは900℃の焼入れ組織です。

極端に低い温度や温度保持が不十分であれば、炭化物(大きな白い塊=共晶炭化物ではなく、共析炭化物と呼ばれるもの)が十分に溶け込まずに 硬さが低くなり、炭化物量も適正温度での焼入れよりも多いために、 素地(マトリックス)強度が低く(つまり、焼入れ硬さが低く)なります。


SLD(日立金属カタログから)②適正温度での焼入れ組織

②SLD(日立金属カタログから)  適正温度での焼入れ組織

上の写真と比べて、共析炭化物が溶け込んだ状態で、標準的な組織とされます。
一般的には、適正温度範囲内では、低めの温度をとることで「じん性」が高くなり、 高めの温度では「耐摩耗性」が増す傾向になると説明されています。

焼戻し温度によって硬さの調整ができますが、焼入れ温度は大切です。 この組織のように焼入れすると、硬さは最高になり、64HRC以上もあります。

白い粒は、鋼塊をつくる際に溶鋼が凝固する際にできた「共晶炭化物」で、これが非常に硬いので高い耐摩耗性を付与します。

>SLD(日立金属カタログから)③加熱組織

③SLD(日立金属カタログから) 過熱組織:焼入れ温度が高すぎる組織

SLDを1100℃で焼入れした組織です。
焼入れ温度が1050℃を超えると、結晶粒が粗大化し、残留オーステナイトが多くなります。白っぽい組織になっていますが、正常焼入れ組織に比べて2-3HRC硬さが低下します。
このようになると、正常な温度で焼入れしたものに比べて、じん性値も低くなります。

このように、一度高温に過熱(over heat)したものについては、焼きなましをするなどで結晶粒の調整をしようとしても、均一な微細な組織に改善することはできないので、 焼入れ温度には注意する必要があります。


(注)このページの写真の一部は下記より引用させていただいています。写真の一部を使用していますので、原本の倍率とも異なっています。組織の説明のみに使用していますので、 詳細は原本を確認ください。上3枚 山本化学研究社 S47年 改訂4版 標準顕微鏡組織 第1類 標準片番号6・11・12 下3枚 日立金属株式会社 型録番号 HY-B6-c P.17


そのほかの組織関連用語について

ここでは簡単に、熱処理異常、鋼材異常などを金属組織的な異常を見る場合について、簡単に示します。

通常は上記の、標準組織との差異を見ることから始めます。そこでは、結晶粒度、介在物、偏析 などを観察する場合があります。 (これらについては、JIS規格の試験方法などにありますので、 詳しくはそちらを参照ください)ここでは、熱処理の知識として 必要な程度の内容のみを説明します。

【結晶粒度】

JISには、フェライト結晶粒度とオーステナイト結晶粒度が示されていますが、熱処理での結晶粒度は、オーステナイト結晶粒度を指す場合が多いと考えておいていいでしょう。

例えば、焼入れの際の加熱で、焼入れ温度が高くなったりや保持時間が長すぎると、結晶粒が増大します。通常は、6以下の4とかの粗粒になると、 熱処理の不適当が疑われますし、極端な粒度が混在する「混流」と呼ばれるものでは、鍛造・焼なましなどの不適が疑われるということになります。

もちろん、熱処理だけの問題ではない場合もありますし、鋼種的な特徴であるものもありますので、製鋼や熱処理の異常と断定できない場合も多々あります。

【介在物】

一般的には非金属介在物をさし、組織的に好ましくない「異物」です。

組成的には、硫化物系のものと酸化物系のものがあり、いずれも、通常の 鋼では、少ないほうがいいとされます。快削鋼などのように、それをうまく使うようにしているものもあります。

近年は、溶解や脱ガス技術が高くなっており、通常品種の鋼でも、介在物の異常などはほとんどない状況になっています。

【偏析】
鍛造や圧延材の断面の不均一さを見るときには、肉眼や低倍率で観察する「マクロ偏析」の状態を観察しますが、顕微鏡組織的には、組織の不均一さを見ることで、材料品質を判定する場合があります。

これで見る偏析は「ミクロ偏析」と呼ばれ、多くは、材料の素性を評価しますので、 微小硬さの 推移やEPMAなどの分析機器での線分析などを併用して判定します。

通常の製鋼では、断面中心の品位劣るのが通常で、それを鍛錬方法や鍛錬比などで操作することで、それを緩和するようにされています。 その程度や限度はいろいろな要素で変わりますので、当社が購入するひも付きの材料では、鋼材仕様書を取り交わしてその品位を安定化させています。


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