鋼の熱処理のロゴ

はじめに
このHPは鋼の熱処理について解説しており、いずれも長い文章ですので、スマホではなく、パソコンが読みやすいでしょう。
記事を見つける場合は、サイトマップのページやサイドメニューの「熱処理ページの目次」のリンクから関係ページをご覧ください。

熱処理を学ぼうとする人に

鋼(はがね)は、鉄と炭素の合金で、それは、熱処理をすることで、機械加工することができる硬さになったり、機械加工用の工具にもなったりする、もっとも利用度の高い金属ですが、鋼についての技術や熱処理について、活発に研究されたのは1980年代までで、それ以降は、製鋼技術、表面処理などでの進展がありましたが、2000年以降は、熱処理についての、とくに目立った新技術もなく、それもあって必要な熱処理を学ぶための書籍も減ってきたことで、勉強しにくくなってきています。

それもあって、簡単でわかりやすい熱処理を説明しようと、現場の熱処理を主眼に、このHPを作ったのですが、やはり、充分とはいえません。 文中で、いくつかの書籍を紹介していますので、大手書店でも手に入るでしょう。(下にもAmazonのリンクをつけています)

ちなみに、その1冊の、日本熱処理技術協会さん編集の「熱処理ガイドブック」の基礎編では、次のような項目が書かれています。(実際の目次とは違います)

1.鋼材の履歴・鋼種選定(25ページ)
2.鋼材の特性を活かすための熱処理(21ページ)
3.鋼の状態と組織(31ページ)
4.熱処理加熱装置と温度制御(27ページ)
5.熱処理作業・表面熱処理作業(51ページ)
6.熱処理欠陥と対策(27ページ)
7.工具鋼の熱処理(31ページ)
8.鋼材の試験(19ページ)

しばしば、熱処理が知りたいけれども、本を読んでもわからない・・・という声を聞きます。たしかに、このガイドブックでは、基礎だけで約250ページあるのですが、これは、熱処理作業に携わる人向けの内容ですから、全く初めての方は、やはりわかりにくいと感じるかもしれまえん。

ちなみに、私のHPも約50ファイルもあります。 これでも、すべてを網羅できませんから、ここでは、書籍では説明しにくい、実際の熱処理作業の状況などを、多く加えたかったので、「焼入れ」を中心にして、それに派生する内容を付け加えていく形式にしています。

多くの方は、特定の熱処理用語について知りたい場合が多いと思います。 その場合は、用語の説明のHP(→こちら)と合わせながら読んでいただくのがいいでしょう。

全ページの「サイドメニュー」に内容の項目を示しています。そこから、目的の記事を探していただくか、サイトマップ(→こちら)には、もう少し詳しい項目を入れていますので、それから探していただくのもいいでしょう。

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以下に、記事の全体イメージと主な項目を書き出しています。太字の項目は、関係ページにリンクしています。

このHPの全体像とページへのリンク

熱処理に関係する図の例

01.鋼と鋼の状態を理解しよう

  鉄の4つの状態と変態  鉄と鋼と鋳鉄  鉄-炭素平衡状態図

02.焼入れ・焼戻し

  紛らわしい熱処理用語  鋼の強さと硬さ  鋼の炭素量と硬さ

  焼入焼戻しと残留オーステナイト    不完全焼入れ

  Ms・Mf点  焼入れ性  合金元素の影響  

  焼入れに関する熱処理用語   鋼種と焼入れ条件

  焼入れ保持時間と冷却     機械構造用鋼の焼入焼戻しと調質

  構造用鋼の焼ならし・ノルテン   溶体化処理

  工具鋼の焼入焼戻し(基礎)(具体例)(具体例2)  

  熱処理線図 (S曲線) ・ (CCT曲線)  

  焼戻し過程  工具鋼の焼戻しタイプ  構造用鋼の調質・焼戻し

  サブゼロ・クライオ処理    熱処理の話

03.焼なまし

  焼なましの種類と概要   機械加工と焼なまし

04.熱処理設備   

  熱処理炉   加熱炉の雰囲気・冷却

05.硬さと硬さ試験 ・ 硬さ試験の注意点

06.工具鋼の選び方 ・ 工具に必要な要素 ・ 技術資料の見方

07.材料試験   耐摩耗性   じん性

08.五感で感じる熱処理温度

09.火花試験

10.熱処理の不具合     変形   割れと時効変形

11.表面熱処理(炎焼入れ・浸炭・窒化)

12.顕微鏡組織   観察の仕方   熱処理標準組織の例

13.硬さ換算表

14.あとがき・引用文献 ・ サイトマップ

熱処理全般がわかる、オススメ書籍のAmazonのページを紹介しておきます。大手書店にもありますので、手にとってご覧になってみてください。

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熱処理作業をイメージするための動画を2つ

ここでは、赤くなった品物を見てもらって、熱処理作業をイメージしていただくために、2つの作業を紹介します。
(リンクをクリックするとYUTUBEの動画を見ていただくことができます:[協力]第一鋼業株式会社)

(1)ソルトバスでの焼入れ
(2)縦型炉での型鋼の焼入れ風景

ソルトバスの作業風景 型鋼の油焼入れ風景

(1)左はソルトバスによる手作業での焼入れ作業です。
850℃程度に加熱したソルトバスを使って、薄い鋼板を加熱して、それを水に入れて焼入れする作業風景です。
これは、完全に手作業で、あっという間に焼入れ作業が終わります。

(2)右は、 鍛造用の金型素材を大気炉で加熱し、油冷して硬化させる作業風景です。自動化された設備を使っていますが、運搬や焼入れ操作は、作業者が手動で操作しています。

動画を見ていただくと、左のソルトバスの焼入れ操作に比べて、型鋼の焼入れ操作では、冷却までに時間がかかっています。 しかし、いずれも、鋼種に対応する操作を行っており、このような「焼入れ操作」によって、いずれの鋼(品物)も非常に硬くなります。

実際の熱処理作業では、この焼入れ作業の他に、焼戻しなどの作業工程があり、ほとんどの工程が加熱炉の中で自動的に行われますので、ここに示したような作業を見ることも少なくなってきています。

  サイトマップへ

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(来歴)H30.11 全ページを見直し  R1.7 見直し   R1.8 リンク見直し   R2.4 CSS変更 R2.8写真の整合化 最終確認R6.1月

熱処理ページの目次

各ページにリンクしています。
鉄と鋼の温度と状態
鉄と鋼と鋳鉄について
熱処理温度状態と平衡状態図
焼入れ
熱処理による強さ・硬さ
鋼の炭素量と焼入れ硬さ
焼入焼戻しと残留オーステナイト
不完全焼入れ
エムエス点・エムエフ点
焼入れ性
焼入れ性を増す合金元素
焼入れに関係ある用語
鋼種と焼入れ条件
焼入れ保持と冷却
機械構造用鋼の調質と焼入焼戻し
構造用鋼の焼ならし・ノルテン
固溶化(溶体化)処理
合金鋼の焼入焼戻し
工具鋼の熱処理の留意点
標準熱処理と熱処理の本質
恒温変態曲線(S曲線)
CCT曲線・恒温熱処理
焼もどし温度と鋼の変化
工具鋼の焼戻しについて
構造用鋼の焼戻しと調質
工具鋼の焼戻しに関係するもの
サブゼロ処理・クライオ処理
焼なましの種類と概要
機械加工と焼なまし
加熱設備・熱処理炉
炉の雰囲気や冷却の問題
鋼の硬さと硬さ試験機について
硬さ試験の注意点
工具鋼の材料選び
工具に必要な特性と要素
耐摩耗性とその試験方法
じん性とその試験方法
工具鋼の技術資料やデータの見方
五感で感じてわかる熱処理温度
簡単な鋼の火花試験をしよう
熱処理変形や変寸について
熱処理での割れ・時効変化について
鋼の炎焼入れ・浸炭・高周波焼入れ
鋼の顕微鏡組織観察
熱処理した鋼の顕微鏡組織
鋼の硬さ換算表
あとがき

INDEXのページ
サイトマップ

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